オバマ大統領が受諾演説へ 製造業雇用100万人増
米民主党の全国大会で
【シャーロット(米ノースカロライナ州)=中山真】オバマ米大統領は6日、民主党の全国大会で11月の大統領選候補としての指名受諾演説に臨み、2期目の政策課題を明らかにする。製造業での2016年末までの100万人の新規雇用創出や、20年末までの原油純輸入の半減など5分野で目標を設定。改革の前進には1期4年間では不十分と強調し、再選に向けた支持拡大を訴える。
3日にわたる民主党大会はオバマ大統領の指名受諾演説で終了。約2カ月後に迫った大統領選に向け、共和党のロムニー大統領候補と選挙戦が本格化する。
オバマ大統領が演説で表明する課題は(1)製造業(2)エネルギー(3)教育(4)国家安全保障(5)財政赤字――の5分野で「雇用を創出し、より強固な基盤のもとで経済を再建する達成可能な計画だ」と力説。同時に「これが次の4年間で米国がなすべきことであり、私が2期目に立候補する理由だ」と再選への決意を表明する。
雇用創出を巡っては共和党のロムニー候補も4年間で1200万人の新規雇用を創出する目標を表明している。製造業のみに限定したオバマ氏との比較は難しいが、雇用創出への具体策が今後の論戦の焦点となりそうだ。
オバマ大統領はロムニー候補と争う今回の大統領選について「選択するのは単なる候補者や政党ではない。米国の異なる進路であり、未来に向けた根本的に異なるビジョンだ」と表明。民間主導の経済成長などを柱とした「小さな政府」による「強い米国」を掲げたロムニー氏との対決姿勢を鮮明にする。
「変革と希望」を訴えて08年に初当選したオバマ氏だが高止まりする失業率などを背景に支持率は低迷。演説では「聞こえの良いことを聞くためにではなく、真実を聞くために私を選んだはずだ。その真実とは、問題の解決には数年では不十分ということだ」とも述べ、十分な成果が出ていないことも率直に認める。
オバマ、ロムニー両氏は11月6日の投票日に向け、3回の討論に臨む。