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戸別訪問は2400件 オバマ陣営を支える日本人

2012年 米大統領選

「モトオ、がんばって」。11月6日午前9時過ぎ、明治大学政治経済学部教授の海野素央さん(52)は米バージニア州近郊の一軒家のガレージをあとにした。

野球帽をかぶり軽快ないでたちの海野さんは、渡された地図を片手に自ら車を走らせた。目的の地域につくと海野さんはまわりを注意深くみながら車を駐車した。「この家にはオバマ大統領支持の看板があるでしょう。ここならとめても大丈夫です」。

そして海野さんは慣れた様子で地図にしるしのついた家のドアを1軒1軒ノックし始めた。留守の家が多い。留守の場合には小さなステッカーをはる。「VOTE TODAY(今日、投票してください)」。

在宅の場合は「今日は投票にいかれましたか」「あなたの票に期待していいですか」と声をかけ、投票を促す。

海野さんは今年3月からオバマ大統領の選挙運動の草の根ボランティアの活動を手伝っている。心理学の研究者である海野さんの専門は「異文化コミュニケーション」。08年に黒人初の大統領候補になったオバマ氏に興味をひかれ、選挙ボランティアに参加したのをきっかけに「米大統領選と異文化コミュニケーション」が主要研究テーマになった。

08年に続き10年の議会中間選挙も手伝い、今回が2回目の大統領選だ。海野さんが特に興味をもっているのは、日本では禁じられている戸別訪問による選挙活動だ。この活動を理解するために、海野さんは08年には約1100件、今年はすでに2400件の訪問をこなした。

「戸別訪問は双方向のコミュニケーション。選挙運動をする人がじかに有権者と争点について意見を交換する場は、民主主義にとって非常に重要」と海野さん。日本でも国民の政治参加を進めるには戸別訪問を解禁すべきだと考える。「日本の選挙活動は一方向でトップダウン、米国は双方向でボトムアップ」と言う。

戸別訪問は楽ではない。犬に吠えられたり、相手候補の支持者からどなられたり。大学で研究生活を続けてきた海野さんは「仕事でどなられるのは初めてです」と言う。来年春には再び日本の教壇に戻るが、この経験をもとに、模擬戸別訪問など体験型の講義をしようと構想を練っている。

(ワシントン支局長 藤井彰夫)

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