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米アップル会長、スティーブ・ジョブズ氏が死去

(更新)

【シリコンバレー=岡田信行】米アップルの共同創業者、スティーブ・ジョブズ会長が5日、死去した。56歳だった。1976年、個人向けのコンピューターを手掛けるアップルコンピュータ(現アップル)を創業。携帯プレーヤー「iPod」や高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」などをヒットさせ、同社を時価総額で世界最大の企業に押し上げるとともに、カリスマ経営者として業界の変革を主導し続けた。

ジョブズ氏の影響力は情報家電の分野にとどまらず、通信、音楽、映像、メディアなど幅広い領域に及ぶ。ネットの音楽配信サービスやスマートフォン、タブレット端末などを次々と普及させ、デジタル技術を世界の人々の暮らしに深く組み込んだ。

洗練されたデザインの「マッキントッシュ(マック)」ブランドでパソコンを世に送り出し、革新的な企業イメージを確立した。ジョブズ氏が経営に復帰した後に手掛けたiPodやiPadなどは使いやすさと美しさを重視し、急成長の起爆剤になった。

一方、製造工程の大半を外部に頼り自らはほとんど工場を持たない経営を主導。ビジネスモデルの破壊と創造の典型例とされ、半導体や液晶など日本メーカーも含めて関連企業に巨大な需要を生み出した。

今年8月には設備産業の代表格でもある石油大手エクソンモービルを時価総額で抜いて世界一となり、世界の産業の主役交代を印象づけた。

ジョブズ氏はカリフォルニア州で生まれ育ち、76年、友人のスティーブ・ウォズニアック氏らとアップルコンピュータを創業。パソコンの時代を切り開いた。

新規株式公開で巨額の資産を得て20代の億万長者として注目を集めたが、競争激化で業績が悪化すると社外から招いたジョン・スカリー社長によって、創業者にもかかわらず85年にアップルを事実上追放された。

ジョブズ氏はその後、ベンチャー企業を起業。86年にはルーカスフィルムのコンピューター関連部門(現ピクサー)を買収し、最高経営責任者(CEO)に就いた。96年に業績不振に陥ったアップルに復帰。97年に暫定CEOとなり、ライバルのマイクロソフトと資本・業務提携に踏み切った。2000年には正式にCEOに就任。報酬1ドルなどで話題を集めた半面、個性の強さや意思決定を集中させる手法には独善的などの評価もつきまとった。

04年に膵臓(すいぞう)がんの手術を受け、09年にも休養して肝臓移植を受けたことを明らかにしていた。今年8月24日、ジョブズ氏はアップルのCEOを辞任。後任にティム・クック最高執行責任者(COO、当時)が昇格した。ここ数年はジョブズ氏の健康問題がアップル最大の経営課題とも指摘されていた。

アップル取締役会は5日、「スティーブ・ジョブズ氏の輝ける才能、情熱、エネルギーは数え切れないイノベーションの源となり、我々の生活を豊かにし、改善した」とのコメントを発表した。アップルのウェブサイトも「アップルは優れた先見の明をもった創造的な天才を失った」とするコメントを掲載した。

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