[FT]米シェールオイル生産者に先物価格下落の逆風

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2013/8/1 7:00
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(2013年7月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

米国のシェール革命は世界の原油取引を変えていく一方で、デリバティブ(金融派生商品)市場でも大きな変化を引き起こし、ひいては米国のシェールオイル生産業者の経営にも悪影響を及ぼしている。

シェールガスを集める施設から上がる炎(米ペンシルベニア州)=ロイター

シェールガスを集める施設から上がる炎(米ペンシルベニア州)=ロイター

米国内での原油生産拡大の立役者であるこれらの生産業者は、売り上げを確定するために生産前に売り渡す原油の割合を増やしている。そのため原油先物価格に下落圧力が加わっており、シェールオイル生産業者は重要なヘッジ契約を結ぶのが難しくなっている。

■2年半で原油生産量が3倍に

米国のシェールオイル油田としては最大の生産量を誇るバッケン油田(ノースダコタ州)では、原油の生産量が2011年の年初に比べて3倍近くに増えている。一方、指標とされるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物を見ると、受け渡しが3年先の期先物の価格は同じ時期に大きく下落。2011年の4月と5月には1バレル105ドルを超えていた価格が、今年6月までに同81.51ドルまで下げる場面もあった。

米国のシェールオイル生産の大半を担う独立系生産業者にとって、これはゆゆしき事態だ。大半の生産業者は、原油の販売価格を生産コストより高い水準に固定できたことを銀行などに示して採掘継続に必要な資金を融資してもらうために先物を売っているからだ。

採算ラインとなる原油価格は生産業者により異なる(稼働中の設備の生産コストと借り入れの状況による)が、先物価格は危険水域に近づきつつあると警鐘を鳴らすアナリストもいる。

■採掘が困難になる可能性も

テキサス州ヒューストンのエネルギー投資銀行、シモンズ・アンド・カンパニーのスティーブン・シェパード氏は「北米の原油生産の増加は、原油先渡し価格の高値が続くか否かに左右される。原油生産を増やすためには、北米の探査・生産業界としてはWTIが少なくともバレル85~90ドルの水準にあることが必要だ」という。

独立系業者のためにヘッジ契約を手配するある銀行関係者はその影響を単刀直入に説明し、「比較的小さな業者は生産コストを上回る価格でヘッジできなければ終わりだ。借り入れができず、そのため採掘もできないからだ」と語る。

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