2019年1月23日(水)

マネー雪解け、世界で株上昇 日経平均が首位
1~3月

2012/3/31付
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【ニューヨーク=川上穣】米国の景気改善期待や欧州不安の後退を受け世界の株式相場が上昇している。1~3月期は主要20市場のうち19市場で上昇。日銀の追加緩和に伴う「超円高」の修正を受け、日経平均株価が上昇率のトップとなった。ただ中国経済の成長鈍化や、原油高への懸念も強まる。金融緩和が主導する足元のカネ余り相場から、世界景気の改善が株高をけん引する流れに移行できるかが今後の焦点だ。

30日のダウ工業株30種平均は続伸し、前日比66ドル22セント(0.5%)高の1万3212ドル04セントだった。3月の米消費者態度指数などが市場予想を上回ったのを好感した。ダウ平均は1~3月期に約8%高。米雇用の改善や個人消費の伸びを背景に「米景気の先行きへの懐疑論が後退した」(米投資会社タワー・ブリッジ・アドバイザーズ)。

2兆ドル規模の手元資金を抱える米主要企業が、株主還元の姿勢を強めていることも材料。約17年ぶりに配当の再開を決めたアップルの株価は、1~3月期だけで約5割高と急騰。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は、約11年ぶりの高値圏にある。

■欧州不安が後退

米景気の持ち直しとともに株高をけん引したのが世界的な金融緩和だ。欧州中央銀行(ECB)が域内の金融機関に巨額の資金を供給し、欧州発の金融不安が後退。ギリシャ問題の落ち着きもあり、ドイツ株は約18%上昇した。緩和マネーが背中を押す形で、世界の投資家は現金化していた資産を株式に振り向けだした。凍り付いていたマネーの「雪解け」が株式相場を押し上げた形だ。

とりわけ日本では、日銀の追加緩和で「超円高」が修正されたうえ「東日本大震災からの復興で、先進国のなかでほぼ唯一、財政支出の拡大が期待できる」(国内証券)ことも好材料。震災やタイ洪水からの復旧・復興などで新年度の企業業績も大幅な伸びが見込まれ、日本株を投資対象から外していた外国人投資家が日本株を買い戻す動きが広がった。外国人は3月の第2週まで12週連続で日本株を買い越した。

もっとも1~3月期の世界的な株高は、欧州危機などを受けた昨年までの過度の弱気心理が修正される過程で起きた。米投資信託協会によると、3月21日まで株式投信は4週連続の資金流出超を記録している。空売りしていたヘッジファンドなどの買い戻しによる「高揚感なき株高」といった冷めた見方もある。

株高を演出してきたカネ余りが続くかは微妙。欧州ではECBの流動性供給が一巡。米国でも米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和第3弾(QE3)の方針をめぐっては市場の見方が分かれる。

■中国鈍化に懸念

今後は実体経済の改善の持続力に市場の関心が向かう。米景気指標改善など明るい材料もある半面で、中国では輸出減速などによる成長鈍化の懸念が浮上。「株式相場はまだ中長期的な世界経済の拡大を織り込むには至っていない」(ソシエテジェネラル証券の大久保琢史チーフエコノミスト)との指摘もある。

個人を含めた投資家心理が改善し、安全資産である債券から株式への資金シフトが本格的に起きるか。「今後は上昇相場に乗り遅れた個人投資家のマネーなどの流入が焦点」(米中堅証券)との声も聞かれる。

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