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TPPで米が態度硬化、「絶望的瞬間」も

環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る日米両政府の事務レベル協議が30日夕、閉幕した。日本の大江博首席交渉官代理は2日間の交渉で「絶望的な瞬間もあったが(最終日に)少し距離は縮まった」と記者団に発言。農産品関税を巡る米豚肉業界などの態度硬化で交渉は暗礁に乗り上げかねない状況に陥った。

大江氏は米通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行と合わせて9時間折衝。大江氏は「間合いを縮めるのは簡単でなく合意にはだいぶ時間がかかる」との見通しを示した。日米当局は数週間以内に東京で次回の事務レベル協議を開く。

日米当局は焦点の豚肉や牛肉について4月末の日米首脳会談も踏まえ、関税引き下げと輸入急増時に関税を復活する緊急輸入制限措置(セーフガード)の組み合わせを前提に協議している。

だが、米豚肉業界は28日、日本が安い輸入豚肉にかける「差額関税制度」を全廃しない限り日本抜きでの合意を求める声明を発表。複数の米農業団体も同調した。

大江氏は「絶望的」と語った具体的な内容に踏み込まなかったが、米側は今回の協議でも関税やセーフガードの扱いを一部白紙に戻す要求を突きつけた可能性がある。米側の態度硬化について同氏も「USTRからは利害団体(の対日姿勢が)が厳しいと聞いている」と認めた。

米農業界ではTPP推進派が多数を占めるが、議会への発言力が強い豚肉など一部強硬派の巻き返しで米政府も打つ手を失いつつある。大江氏は「(関税維持の)前提が白紙になっていれば、日本も席を立つほかない」と現時点での決裂を否定した。

ただ、今秋の米中間選挙を前に「オバマ政権が国内の反対勢力を抑えるのは極めて難しい」(日米当局関係者)との見方が広がっている。突破口が見えず双方がにらみ合うほかない状態で、今夏に向けヤマ場を迎える日米交渉の先行きは一段と険しくなっている。(ワシントン=矢沢俊樹)

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