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巨大ダムの建設中断表明 ミャンマー大統領

ミャンマーのテイン・セイン大統領は30日、北部カチン州のイラワジ川上流に中国と共同建設中の水力発電用ダム「ミッソンダム」の工事を中断すると表明した。流域の自然環境や住民に与える影響が大きいと国民から批判が強まり、同地区の少数民族武装勢力との衝突の一因にもなっていた。大統領の判断は国民和解や民主化進展といった改革姿勢を示す半面、米欧の経済制裁下にあるミャンマーに影響力を拡大してきた中国との関係悪化を招く可能性が高い。

テイン・セイン大統領は首都ネピドーで開催中の国会で「この巨大ダム建設は国民の意思に反している」と工事中断の理由を説明、「(5年間の)私の任期中は建設しない」と言明した。ただ同事業に投資し、発電される電力の大半の購入を決めている中国側の反発は必至で、計画が完全に中止されるかは不透明だ。中国はイラワジ川で他に6件のダム建設計画があるが、影響は避けられない。

8月中旬にダム建設への反対を表明していた民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏は同日、最大都市ヤンゴンでアウン・チー労働相と会談後、記者団に「国民の声に耳を傾けたのは素晴らしいこと」と大統領の決断を支持した。

ミッソンダムは最大出力が原子力発電所6基分相当の600万キロワットに達する巨大発電事業。2006年に中国と共同建設に合意、昨年着工した。総事業費は36億ドル(約2800億円)に上り、発電電力の9割を中国に輸出する計画だった。

ただダム建設で周辺の生態系が破壊される恐れがあるだけでなく、すでに1万2000人の住民が移住を強制されていた。建設に反対する少数民族武装勢力のカチン独立軍(KIA)とミャンマー国軍との間で戦闘が起きるなど、国境地帯での緊張も高まっていた。(バンコク=高橋徹)

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