2019年1月24日(木)

オーストリア下院選「反ユーロ」極右が躍進 与党辛勝

2013/9/30付
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【ウィーン=赤川省吾】オーストリアの国民議会(下院)選挙は29日に投開票され、大連立を組む与党・社会民主党と保守系与党の国民党が合計で過半数を確保し辛勝した。一方、反ユーロを掲げる極右政党が大連立への批判票を集め、社民と国民の二大政党に迫るまでに躍進。オーストリアは南欧支援の資金の出し手となってきただけに、欧州連合(EU)での統合論議や危機対策の論議にも影響しそうだ。

オーストリア内務省が公表した暫定集計によるとファイマン首相率いる社民党が得票率27.1%で第1党を維持し、保守系与党の国民党が23.8%で続いた。二大政党の合計得票率は5割をわずかに上回り、連立与党で99議席を確保。なんとか過半数割れを回避した。

ファイマン首相は選挙終了後の29日夜、議会内で「安定政権をつくりたい」と勝利宣言。「(保守陣営とは)建設的に話ができる」と語り、大連立の継続に意欲を示した。

だが、かつては二大政党の合計得票率が9割を超えたこともあった。今回は5割強と第2次大戦後で最低。戦後政治を担ってきた二大政党の衰退が鮮明になった。

安定を重んじるオーストリアでは大連立が恒常化し、代償として「新鮮さ」が政治から失われた。政財界の癒着もあり、好調な経済にもかかわらず、与党は苦戦した。

政権批判票を集めたのが、移民制限や反ユーロを訴える極右・自由党だ。年金制度の拡充など大衆迎合的な政策を掲げ、保守系与党に4議席差まで迫った。人種差別の思想に共鳴する支持者だけでなく、「政界に新風を吹き込んでくれる」と大連立に飽きた有権者を取り込んだ。

こうした国民感情は、次期政権の運営に大きな重荷となる。財政政策の一元化など欧州統合に突き進めば、反ユーロ政党を勢いづかせる恐れがある。年金改革など不人気政策も極右などに政府攻撃の口実を与える。野党の攻勢で政治が停滞すれば、通貨ユーロも揺らぐ。最近、欧州各国の選挙では極右や反ユーロ勢力が得票を伸ばしており、今後の欧州統合政策にも影響する可能性がある。

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