欧州委、サムスンへの制裁金見送り 通信特許問題
欧州連合(EU)の欧州委員会は28日、韓国のサムスン電子が同社の通信関連の標準特許について、欧州内で競合相手に使用の差し止めを求めないと約束したと発表した。欧州委は競争上の懸念を表明していたが、今回の措置を受け入れ、制裁金を科すことを見送った。
欧州委によると、サムスンは2011年から競合相手のアップルに対して、通信関係の標準特許の使用差し止めを求めてきた。携帯電話などのカギを握る特許となっており、欧州委は同特許の差し止め請求は公正な競争を阻害する恐れがあるとしてきた。
欧州委は同日、米モトローラ・モビリティーが保有する通信関係の標準特許について使用差し止め請求をするのはEUのルールに違反すると発表。サムスンと同様に制裁金を科さず、競合相手にも公平な条件で開放することを求めた。(ブリュッセル=御調昌邦)