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「iPad紛争」が過熱 商標権巡り中国で高裁審理

アップル以外に波及の恐れも

【広州=桑原健】多機能携帯端末(タブレット)「iPad(アイパッド)」を巡り米アップルと中国企業の間で紛争が過熱している。商標権の侵害を争点とする訴訟の審理が29日、広東省の高裁で始まり、溝は埋まらなかった。世界で爆発的に普及している情報端末に関する争いは米中のビジネス風土の違いに根ざしており妥協しにくい面がある。

アップルによるiPad発売前に中国で商標登録していたとして侵害を訴えてきたのは広東省のIT(情報技術)機器メーカー、唯冠科技深セン。両社は販売や輸出入の差し止めでも、裁判所や税関で争う。

商標権の訴訟は29日、広東省高級人民法院(高裁)が審理に入り、アップルと、唯冠の台湾グループ会社が結んだ商標権の譲渡契約の有効性が対立点になった。一審は唯冠側の主張を認めた。中国では高裁の判決が原則、最終の判断になる。

唯冠は中国での商標権について譲渡契約の無効を訴えた。「中国本土の商標権は唯冠科技深センにある」とし、中国での権利を台湾のグループ会社が譲渡することはできないと強調した。

これに対し、アップルは唯冠と台湾のグループ会社との経営の一体性を指摘した。創業者である楊栄山氏が両社のトップを契約時に務めていたことなどを理由に挙げ「台湾の会社は全グループを代表して契約した」と主張。中国本土を含む権利であると表明した。

2009年12月に結ばれた商標権の譲渡契約は、アップルの委託を受けた英国の会社が台湾のグループ会社から3万5千ポンドで購入した。深セン市中級人民法院(地裁)は11年12月に唯冠の主張を認める判決を出し、アップルが不服として高裁に上訴していた。

経営破綻状態にある唯冠科技深センはアップルから多額の金銭を引き出す形の和解に前向きとされ、アップルが徹底抗戦の姿勢を貫くかどうかが注目されている。中国側の言い分が認められれば、アップル以外の企業でも同種の係争が頻発する可能性もあり、世界のビジネス界の注目度は高い。中国のグループ会社の形態は複雑で商標権の管理が難しい面もある。

唯冠はアップルのiPadの販売差し止めなどを求める訴訟も各地で起こしている。広東省の恵州市中級人民法院は市内の電器店に販売停止を命じた。商標権を巡る高裁の判断が中国の司法で持つ意味は大きく、地裁などの審理にも影響を与えるとみられる。

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