2018年7月17日(火)

ユーロ圏1.5%成長に減速 11年予測、財政再建響く
欧州委の実質見通し 景気「二極化」強まる

2010/11/29付
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 【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は29日、2011年のユーロ圏の実質経済成長率が1.5%になるとの経済予測を発表した。財政赤字削減で景気に下押し圧力がかかり、成長率は10年より0.2ポイント低下、緩やかに減速する。ドイツを中心とする欧州北部の経済が堅調な一方、ギリシャやポルトガルは11年にマイナス成長を見込むなど域内景気は「二極化」の様相を強めそうだ。

 レーン欧州委員(経済・通貨担当)は「域内の景気回復は一様ではない。国債市場の混乱は強力な政策対応が必要なことを示す」と表明。ユーロ圏の信用不安を払拭するための財政赤字削減と、潜在成長率上昇につながる構造改革の両立を加盟国に促した。

 11年のユーロ圏の実質成長率が1.5%と、10年(1.7%)より鈍化する理由の一つは財政再建。11年は比較的財政状態が良好なドイツなどを含めてユーロ導入国が一斉に財政再建に着手、歳出削減や増税を通じて個人消費や設備投資などの伸びを抑える。

 国別の実質成長率をみると、域内格差が浮かび上がる。ドイツは11~12年に2%台で推移する見通し。ドイツがけん引役となってオランダ、オーストリアなど周辺国の経済は底堅く、フランスも1%台後半の成長ペースを保つ。

 半面、スペインは11年に3年ぶりにプラス成長に転じるものの、伸び率は0.7%と小幅のプラス。ポルトガルは2年ぶりのマイナス成長に戻る。巨額の財政赤字を抱える国々は市場での信認回復へ財政赤字削減が急務だが、短期的には実体経済の足を引っ張る。

 11年の加盟国の財政状態は4年ぶりに改善する。ユーロ圏17カ国(11年1月にユーロ圏に加わるエストニアを含むベース)の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は10年の6.3%から11年4.6%に低下する。

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