スー・チー氏率いるミャンマー最大野党、総選挙不参加を決定

2010/3/29付
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【バンコク=三河正久】ミャンマー民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏率いる同国最大野党、国民民主連盟(NLD)は29日、中央委員会を開き、軍事政権が制定した選挙関連法は「不公正な内容だ」として、年内に実施予定の総選挙への不参加を全会一致で決めた。

過去の選挙で圧勝した実績を持つNLDの不参加は、全国民の意思を反映しないとして選挙自体の信頼性が揺らぐことを意味する。議会は憲法の規定で定数の4分の1を占める軍人と、軍事政権が推す政党が議席の大半を占める見通しで、国際社会は自由で公正な選挙結果と認めない可能性が高い。

29日のNLD中央委員会には全国7管区・7州の中央委員113人が出席。軍事政権が今月8日に制定した選挙関連法では、既存政党は60日以内に再登録することを規定。軍事政権が2008年に発布した憲法の順守宣誓や有罪判決を受けた者の立候補禁止などが盛り込まれており、新憲法反対派のNLDやスー・チー氏の政治参加を封じた法律となっている。

19年間の禁固刑から08年に釈放されたウィン・ティン中央執行委員は日本経済新聞に対し、「政党登録しなければ手足を切られたも同然だが、登録すれば頭を切られるのと同義だ」と述べた。NLDは政党登録をせず、政治グループとして活動を継続する見通しだ。

ミャンマーは資源が豊富で人件費もアジアで最も低いことから、選挙後の経済開放で日欧米の企業が投資の機会拡大を期待していた。しかし経済制裁を科している欧米諸国が総選挙を公正と認めなければ制裁の解除は遠のき、企業の投資も広がらない可能性が高い。

1988年のクーデターで発足した現軍事政権は、90年に総選挙を実施。しかしNLDが圧勝したため、選挙結果の無効を宣言、現在に至っている。このため欧米諸国は次期総選挙でのNLDと同党書記長であるスー・チー氏の選挙参加が「自由と公正さの担保には不可欠」と主張してきた。

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