/

ロシア、クリミア先住民族を懐柔 自治拡大容認へ

【キエフ=石川陽平】ロシアがウクライナ南部クリミア半島の先住民族クリミア・タタール人の懐柔に乗り出している。クリミア・タタール人は同半島のロシアへの編入に反発、29日には民族自治区の創設を求めたが、ロシア側は大幅な自治権拡大を認める方針。同半島の編入を既成事実化するロシアの動きに、ウクライナの新政権や欧米諸国が反発を強めそうだ。

ロシア通信によると、29日にクリミア半島南部のバフチサライで開かれたクリミア・タタール民族議会は、民族自治区の創設に向けた法的手続きに着手することを決めた。ロシアのプーチン政権は、クリミア・タタール人と民族的に近いロシアのタタールスタン共和国のミンニハノフ大統領らを会議に派遣した。

民族自治区の具体像は不明だ。ただ、クリミア・タタール民族議会のチュバロフ議長は「クリミア・タタール人の自決権の保障を(ロシア側に)要求する」と強調し、ロシアの枠内での民族自治区の創設も視野に入れているようだ。タタールスタン共和国のミンニハノフ大統領も「受け入れ可能な決定を見つけられる」と支援を約束した。

クリミア・タタール人はイスラム教スンニ派のチュルク系民族で、クリミア半島で13世紀以降に形成された。人口は同半島の住民の約10%に当たる約26万。多くがロシアのクリミア編入を拒否し、編入の是非を問う16日の住民投票もボイコットした。ロシアにとっては、クリミア・タタール人が編入の大きな障害になっていた。

クリミア・タタール人がロシアによる編入に反発する背景には、1944年、スターリンによって対独協力の疑いをかけられ、中央アジアやシベリアに強制移住させられた苦難の歴史がある。29日の会議に出席したロシアのイスラム教代表は、ロシア政府はクリミア・タタール人の名誉回復を急ぐべきだと述べた。

親欧米派勢力による政変で発足したウクライナ新政府も、クリミア・タタール人に大幅な自治権拡大を約束し、ロシアと綱引きになっている。だだ、クリミアへの実効支配を強めるロシアに対抗する手段は少ない。クリミア・タタール人もロシア領内での自治権拡大を検討せざるを得なくなっっている。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン