台湾・馬政権、外交重視の大型人事 対米中ポストに側近起用

2012/9/29付
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台湾の馬英九政権の閣僚ら重要ポストの交代人事がほぼ出そろった。5月に2期目の政権入りしてから初の大型人事となる。外交分野を中心に入れ替え、対中、対米のポストに側近を配置した。自らの意思を政策に強く反映させ、通商拡大などの成果を早期に得たい考え。

対中政策を担う閣僚である大陸委員会主任委員には、馬総統の若手の側近、王郁●(たまへんに奇)氏が28日に就任した。王氏は40歳代前半で、直近は外交などの助言をする国家安全会議の諮問委員を務めた。対中の窓口機関として交渉に当たる海峡交流基金会の理事長には、与党・国民党秘書長(幹事長)の林中森氏を据えた。

駐米代表(大使に相当)には馬総統の長年の腹心である金溥聡氏を内定した。金氏はメディア学者で、過去2回の総統選挙では馬陣営の選挙参謀を務めた。

2期目の馬政権は対中、対米関係の強化を重要課題に据える。台湾は2010年に中国と自由貿易圏の確立を目指す経済協力枠組み協定(ECFA)を締結したが、関税引き下げ品目の拡大など具体化協議が遅れている。馬総統は側近を通じて対中政策をリードする考え。

対米関係は輸入牛肉の安全問題で関係が悪化していたが、馬政権は7月末に輸入制限の緩和を強行。07年から中断している次官級の通商協議を年内に再開させ、将来の自由貿易協定(FTA)締結などを目指す。

側近の重用が目立つ馬総統の姿勢には批判も多い。対中政策を担う王氏らも外交分野での経験が少なく、「したたかな中国大陸と互角に渡り合えるのか」(国民党関係者)と懸念の声も上がる。

尖閣諸島問題でぎくしゃくする日台関係については人事での明確なメッセージはなかった。日本と太いパイプを持つ海峡交流基金会の江丙坤理事長が高齢を理由に27日付で引退。台湾では日本語を流ちょうに操るなどの知日派は高齢で減りつつあり、今後の対日外交にも影響を及ぼしそうだ。(台北=山下和成)

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