2019年7月18日(木)

[FT]米風力産業に迫る補助金ゼロの逆風

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2012/10/1 7:00
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(2012年9月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

「非常に強力な磁石です。4フィート離れてください」。米ミシガン州アナーバーにあるダノテックの工場に足を踏み入れると、こんな標識が掲げられている。

■好調な米市場は崩壊前の熱狂

アイオワ州で風力タービンの前で演説するオバマ米大統領(8月14日)=AP

アイオワ州で風力タービンの前で演説するオバマ米大統領(8月14日)=AP

この警告は、ここで開発中の強力な技術の象徴だ。ダノテックが開発している永久磁石発電機は、タービンメーカーのコストを削減し、風力発電の信頼性を高めることができる。

同社はまさにオバマ政権が、米国の伝統産業の衰退が残す隙間を埋めると期待した再生可能エネルギー企業の実例だ。

しかしダノテックは不確実な将来に直面している。たとえ国内市場の大半がなくなっても、輸出で会社は存続できるはずだ。それでも、ドン・ナーブ最高経営責任者(CEO)は、米国の発電税額控除(PTC)に迫る脅威が世界中のメーカーに影響を与えつつあると言う。

「ヴェスタスやシーメンス、ガメサでは、PTCを巡る疑問が会社の成長予想に影響を及ぼしている」とナーブ氏。「この問題は、経費や投資にいくらかけるか、どんなペースで新製品を投入するかといった判断を左右する」

世界最大の市場は中国で、国内産業の発達につれて、外国企業にはますます厳しい状況になってきた。米国は中国に次ぐ世界第2位の市場だ。設置された発電所の容量で見ると、昨年には中国国外のすべての風力投資の28%を米国が占めた。

米国市場は急成長している。調査会社IHSによると、今年は約12.5ギガワット(GW)の発電容量が設置される見込みで、これまで最高だった2009年の10GWを上回る。

これは、崩壊に先立って起こる熱狂的な活動だ。

■税額控除で一大市場に

米国市場はPTCに依存してきた。PTCは1992年に導入された税額控除で、それ以来、断続的に実施されてきたが、2005年以降は継続的に利用可能になった。この時期に米国市場は大ブームに沸き、現在送電網につながる風力発電設備の総容量の約85%が設置された。

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