2019年2月19日(火)

イタリア元首相、ついに議会追放 ベルルスコーニ氏

2013/11/28付
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イタリアで戦後最長の首相在任期間を誇るベルルスコーニ元首相(77)が27日、議会から追放された。約20年にわたり政界で影響力をふるい続けたが、経済政策では抜群のカリスマ性を生かせず改革は頓挫。イタリア経済に多くの課題を残したままの幕引きとなった。

「議会の外からでも自由のために戦い続けることはできる」。元首相は27日、ローマで政党「フォルツァ・イタリア」の支持者らに訴えた。

上院議員の元首相はメディア企業での脱税を巡り、禁錮4年の有罪が確定。上院は元首相の議員資格剥奪の可否を審議し、同日の本会議で議会からの追放を決定した。元首相は同党の党首として政治活動を続けると強調しているが、6年間は選挙に出馬できない。

ポピュリストのような政策を打ち出すことで知られ、今年2月の総選挙でも国民に不人気だった「不動産税」の廃止を掲げて劣勢を伝えた下馬評を覆した。ただ、首相在任期間が最も長かった2001~06年は国内総生産(GDP)との比較でみた公的債務の規模が縮小しており、放漫財政であったとの批判は必ずしも当てはまらない。

問題は醜聞まみれでも人気を維持できるカリスマ性を持ちながら、それが経済改革に生かされなかったことだ。地元経済紙は28日付の紙面で「公約したリベラルな改革、特に税制緩和や官僚主義の負担からの自由化はただの夢に終わった」と評価している。

02年には企業の人員削減を妨げる雇用規制や年金制度の改革も試みたが、労組が戦後最大規模のゼネストを決行するなど逆に対立を深めた。自らが起業家で中道右派政党の党首でもあったが、それぞれの業界を保護する規制の緩和には及び腰だったとの批判も多い。

08年に経営破綻したアリタリア航空の再建では、エールフランス・KLMなどによる買収に反対。自国企業の投資家グループをまとめたが、一度も黒字化を果たさぬまま、再び破綻の危機に見舞われている。

欧州債務危機への対応が遅れ、欧州連合(EU)諸国から退陣を迫られて首相を辞任したのが11年11月。このころ「イタリア人の生活は豊かだ。飛行機では空席を見つけにくいし、レストランは人であふれている」との発言が話題になった。

債務危機ではドイツとイタリアの国債利回りの差を示す「スプレッド」が常に注目された。それも「選挙で国民に選ばれた者をおとしめるために発明された詐欺だ」と切り捨てた。同国屈指の富豪が経済に関心がなかったはずはないが、有益な提案は示せなかった。(ジュネーブ=原克彦)

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