タイ検察当局、前首相を殺人罪で起訴
タイの検察当局は28日、2010年のタクシン元首相派による反政府デモで、取材中のロイター通信カメラマン、村本博之さん(当時43)ら多数が死亡したことをめぐり、当時のアピシット首相と治安責任者ステープ副首相を殺人罪などで起訴した。
検察当局は、アピシット前首相ら2人が治安部隊に発砲を許可することで多数の死傷者を出す結果を招いたとしている。
10年の反政府デモでは約90人が死亡、約2千人が負傷した。
インラック政権与党は、国外逃亡中のタクシン元首相の帰国に道を開く可能性のある恩赦法案を議会に提出しており、与野党の攻防が続いている。
アピシット前首相が党首を務める野党民主党の報道担当者は起訴について「政権側の圧力だ」と批判。前首相ら2人は捜査段階で無罪を主張しており、今後も法廷で闘う方針を示した。(バンコク=共同)