オーストリア議会選29日投票 二大政党伸び悩み、極右に勢い

2013/9/28付
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29日に国民議会(下院)選挙を控えたオーストリアで大連立政権を担う二大政党が勢いを欠いている。第1党の座を与党・社会民主党と連立相手の保守系政党が争うが、支持率が伸び悩む。代わって政府への批判票を集めて極右勢力や反ユーロ政党が躍進する勢いを見せており、選挙の結果次第では通貨ユーロを支える北部欧州の一角が揺らぐ恐れがある。

各種世論調査によると、首相ポストを握る社民党が支持率で27%とリードし、22~23%で国民党が続く。合計で9割を超えた時代もあるが、いまは過半数がやっと。次期政権は大連立か、環境政党を加えた3党連立との見方が多い。

勢いに乗るのは極右の自民党。移民制限などを掲げて保守陣営の票を奪い、支持率20%前後と第2党をうかがう。2000年に与党入りした際は、政府が欧州で孤立した。

その台頭を防ごうと二大政党は票集めに懸命だ。社民党を率いるファイマン首相は28日、「公平な社会を築く」と宣言。格差是正を目指して超富裕層への税負担を重くする一方で、15年1月からの所得減税を公約した。

ライバルの国民党は増税に反対しつつ、おなじ保守陣営のよしみで隣国ドイツのメルケル首相の応援を受ける。

7月の失業率は4.8%と欧州連合(EU)のなかで最も低い。だが、好調な経済を追い風に政権与党の二大政党が有利に選挙戦を展開しきれないところにジレンマがある。

戦前に主要政党が武力衝突したことへの反省からオーストリアの戦後政治は「安定」を重視し、大連立が多かった。現状に不満を持つ有権者が極右に流れる実態はその副作用といえる。

流れを変えるために、二大政党は先送りしてきた改革に取り組むべきだがウィーン大学のミュラー教授は「次期政権でも年金制度の見直しなどは進まない」と懸念する。

南欧支援の資金の出し手であるオーストリアの政局混迷は欧州の債務危機対策にもマイナス。政治が停滞すれば危機の出口が遠くなる。(ウィーン=赤川省吾)

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