2017年12月16日(土)

伊で労働市場改革法成立 業績悪化での解雇可能に

2012/6/28付
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 【ジュネーブ=藤田剛】イタリア議会で27日、モンティ政権が提出していた労働市場改革法が可決・成立した。現行法では事実上、不可能だった業績悪化を理由とした解雇に道を開いた。若年層の就労支援策や女性差別的な労働慣行の是正も盛り込んだ。ただ、裁判所の判断次第で復職を認める規定を入れたため、どこまで解雇のハードルが下がったかは不透明だ。

 硬直的なイタリアの労働法は企業の雇用調整を困難にし、外国企業が進出をためらう一因になっていた。モンティ政権は法改正で産業を活性化し、財政再建に欠かせない税収増につなげる狙いだ。

 労働市場改革法案は5月末に上院を通過済み。27日の下院での採決は賛成393、反対74だった。モンティ政権はブリュッセルで28日に開幕し、債務問題などを話し合う欧州連合(EU)首脳会議で成果として報告するため、会議前の成立に注力していた。

 モンティ政権は当初、企業が業績悪化など経済的な理由で正社員を解雇した場合、補償金の支払いで解決できるように法改正する方針だった。しかし、労働組合から強い抵抗を受け、法案に裁判所の判断による復職規定を加えた。

 一方、若年層の雇用の不安定さにつながっているとされる「見習い」を名目とした短期就労は制限。事実上の雇用関係にあるにもかかわらず、業務請負の形で契約して法規制を免れることも禁じた。女性を採用するに当たってあらかじめ辞表を提出させ、産休が長期化した際などに辞表を根拠に事実上、解雇する慣行にも規制をかけた。

 欧州の労働法は一般に、債務危機に直面するイタリア、スペインなど南欧諸国で労組の権限が強く、硬直的とされてきた。イタリアは今回、解雇の条件を緩和したが、モンティ政権が目指した「ドイツ並み」の柔軟さまでは実現しなかった。

 労働市場改革法は賛成多数で可決・成立したが、モンティ政権に非協力的な姿勢を取る一部の政党は改革を主導したフォルネロ労働相に反発。来週にも不信任案を提出する構えを見せている。

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