2019年1月21日(月)

カンボジア総選挙、野党が躍進 与党は勝利宣言

2013/7/28付
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【プノンペン=伊藤学】カンボジア下院(定数123、任期5年)総選挙の投開票が28日、行われた。フン・セン首相の与党カンボジア人民党の独自集計によると、与党は過半数を確保し、政権維持を確実にした。だが「長期独裁」への批判から、最大野党カンボジア救国党も躍進。総選挙後の混乱が長引けば、外資の対カンボジア投資に影響するおそれもある。

投票は同日午前7時(日本時間午前9時)に全土で開始。キュー・カナリット情報相は同日夜、同党が過半数の68議席を確保し、勝利したと述べた。ただ獲得議席は前回選挙の90議席から大幅に減少。一方、野党・救国党は55議席を獲得し、改選前の29議席から勢力を大きく伸ばした。正式な選挙結果は数週間後に公表される予定。

野党躍進の背景にあるのは長期政権への反発だ。フン・セン首相は第2首相時代も含め、28年間も首相の座にとどまる。軍や警察を掌握し、事実上の「独裁」体制を続けてきた。長期政権は汚職の温床となり、政府による土地強制収用や格差拡大などを生んだ。

「ドー(クメール語で『変化』の意味)」――。選挙期間中、救国党支持者はこの言葉を繰り返し叫び、体制変革を訴えた。支持層は20~30代の若者だ。サム・レンシー党首は交流サイトのフェイスブックに個人ページを開設。支持拡大の原動力となった。

救国党は工場労働者の最低賃金を現行の倍の月150ドル(約1万5千円)に引き上げるなど貧困層向けの公約を掲げる。富裕層に基盤を持つ人民党とは主張に隔たりがあり、今後の政権運営に影響が出る可能性がある。

これまでフン・セン首相は外資誘致をテコにした経済成長を目指し、外資規制緩和を進めてきた。賃上げ要求の声が高まれば、同国に進出する日系企業にも影響が及ぶ。

救国党は選挙手続きに不満を訴えており、支持者間の衝突も懸念されている。同日、プノンペン市内では若者らが警察車両2台を破壊。フン・セン首相の自宅や人民党本部周辺が交通封鎖されるなど緊張が高まった。

「進出企業にとって安全は最も重要。衝突や暴動が起きれば投資が止まりかねない」(カンボジア総合研究所の鈴木博チーフエコノミスト)との指摘が出ている。

カンボジアはメコン経済圏の後発国CLM(カンボジア、ラオス、ミャンマー)の一角。日系部品メーカーなどの進出が相次いでおり、2012年の日系企業による対カンボジア新規投資額は3億2774万ドルと前年比4倍超に増えた。

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