2019年7月21日(日)

中国から豪への渡航、11年は50万人突破 2割増

2012/1/30付
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【シドニー=柳迫勇人】オーストラリアを訪れる中国人観光客が急増している。2011年の中国からの渡航者数は前年より約2割増え、初めて50万人を突破。中国人観光客がもたらす豪州での経済効果は約34億豪ドル(約2700億円)と英国人を抜いて最大となった。欧州からの観光客が減る中、今年の春節(旧正月)休暇中も中国人が続々と訪問。中華圏から豪州への航空便の増便・新設も相次ぐ。

豪統計局によると、中国本土からの豪州への渡航者数は11年11月までの1年間で53万5700人と2年連続で20%増えた。渡航者数の大半は観光者だ。米国を抜き、ニュージーランド(117万人)と英国に次ぐ3位に浮上した。11年通年でも初の50万人超えが確実。20年には年100万人に達するとの予想がある。中華系住民の多い東南アジアからも伸びている。

中国やアジアの観光客にとって豪州は欧米より近く、飛行機で約8~10時間で行ける西洋文化圏の国として人気が高い。アジア系移民や留学生も多く親近感があるようだ。世界遺産のエアーズロック(ウルル)に代表される大自然やコアラなどユニークな動物に加え、買い物やカジノを目当てに訪れる観光客が多い。

中間層が急増した中国人は購買力も圧倒的だ。豪旅行業界団体によると、中国人渡航者の経済効果は昨年6月までの1年間で33億8300万豪ドルと前年同期比20%伸び、英国を抜き最大となった。昨年初めに洪水被害を受けた豪北東部クイーンズランド州では観光地ケアンズなどで風評被害が心配されたが、中国から20万人が訪れ合計4億豪ドルを消費し経済を押し上げた。

南半球の豪州は今が観光シーズンだが、世界景気不安で従来の欧米や日本からの観光客がさらに減る懸念がある。豪ドル相場は対ドルや対ユーロで高値基調で推移し欧米の旅行者に不利な状況だ。一方、アジア通貨に対しては豪ドルの上昇率は比較的低い。1月に入っても中国や中華圏の国・地域からは春節休暇を利用した旅行者が相次ぐ。

「青い空と海水浴を楽しみに来た」と話すのは上海のドイツ企業に勤める周益華さん(36)。春節に8歳の息子と10日間のシドニー旅行に訪れた。マレーシア人のホン・ジン・ホーさん(27)は「ユーロ安で欧州旅行も検討したが、近くて新たな人気観光地の豪州にした」と話す。家族5人でメルボルンやゴールドコーストを周遊する。

航空業界は中華圏での豪州ブームへの対応を加速。豪カンタス航空の格安航空子会社ジェットスターは昨年11月、中華圏で10都市目の乗り入れとなる北京―メルボルン線を就航した。中国南方航空は中国と豪州を結ぶ便を現在の週35便から4年以内に110便以上に増やす計画だ。マレーシアの格安航空会社(LCC)大手エアアジアの中長距離部門エアアジアXは4月にクアラルンプール―シドニー便を就航する。

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