ケネディ大使「強い日本経済は米の国益」
就任後初の講演

2013/11/27付
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講演前、誕生ケーキを贈られて笑顔を見せるキャロライン・ケネディ駐日米大使(27日午後、都内のホテル)=代表撮影

講演前、誕生ケーキを贈られて笑顔を見せるキャロライン・ケネディ駐日米大使(27日午後、都内のホテル)=代表撮影

キャロライン・ケネディ駐日米大使は27日、都内のホテルで就任後初めて講演し、「強い日本経済は米国の国益だ」と強調した。交渉難航が伝えられる環太平洋経済連携協定(TPP)については「安倍晋三首相の政策課題を達成する重要な手段となる」との見方を表明。今後、日米間で貿易や投資の活性化が見込まれる分野として保険、エネルギー、医療機器、製薬を挙げた。

講演は日米協会と在日米商工会議所が主催した歓迎昼食会で、約20分間行われた。話題は通商、安全保障から女性の活躍、東日本大震災の被災者との交流まで多岐にわたり、日米の経済人や政府関係者ら約500人が耳を傾けた。

大使はTPP交渉の年内妥結について「オバマ大統領も関与している。来週(来日する)バイデン副大統領が何らかのメッセージを届けるだろう」と述べ、首脳レベルでの交渉加速の可能性を示唆した。

日米の安保協力を巡っては、国家安全保障会議(日本版NSC)の創設や防衛機密の共有に資するとされる特定秘密保護法の制定に向けた動きを評価。「日本の防衛政策の進化を支持する」と語った。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題にも言及し、在日米軍の再編に取り組む決意を示した。

初の女性駐日米大使であるケネディ氏は、女性がより責任ある立場で力を発揮することに強い関心を示している。講演でも「権限の移譲が進めば、社会全体が利益を得る」と強調。「女性だけの問題ではない。経済、国家、モラルの問題であることを安倍首相が理解していると信じている」と述べ、聴衆が拍手で応じる場面もあった。

25、26日に就任後初の地方公務として宮城県や岩手県を訪れ、被災者と直接触れ合ったことにも触れた。現地の女性高齢者グループによる手作り人形を「小さな希望の大使」として紹介。「決して忘れることのない2日間だった」と振り返った。

講演の最後には、江戸時代中期の米沢藩主で名君として知られる上杉鷹山をケネディ元大統領が尊敬していたとの逸話も披露。現代の繁栄を将来世代に引き継ぐ義務を心に刻み、行動に移せるかは「私たち次第だ」と力を込めた。

(アジア部 佐野彰洋)

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