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上海地下鉄で追突事故、270人病院へ 日本人2人軽傷

信号の故障か

(更新)
事故原因は信号機の故障とみられる(27日午後)

事故原因は信号機の故障とみられる(27日午後)

【上海=菅原透】中国・上海市の中心部を通る地下鉄10号線で27日午後2時50分ごろ、列車同士の追突事故が発生した。271人が病院に運ばれ、うち日本人2人が軽傷を負った。死者は出ていない。事故原因は信号機の故障とみられる。10号線の信号システムの製造元の親会社は7月に浙江省温州市で衝突事故が起きた高速鉄道にもシステムを供給しており、急ピッチで建設が進む中国の鉄道の信頼性が再び問われそうだ。

上海市衛生局の同日夜の記者会見によると、病院に運ばれた271人のうち61人が入院し、180人はすでに帰宅した。上海紙は20人が重傷と伝えている。在上海日本総領事館は男女1人ずつの邦人の負傷を確認。2人とも軽傷で、すでに自宅に戻ったという。総領事館では他に事故に巻き込まれた人がいないか調べている。

事故が起きたのは市内の観光名所に近い「豫園駅」と「老西門駅」の間の線路上。運営会社の上海申通地鉄集団によると、午後2時10分ごろ、老西門駅の隣の「新天地駅」で設備の故障が発生。手動による運行管理に切り替えた。

専用電話で運転士に指示し、一定の区間内に複数の列車が進入しないように制御していたが、後続列車が何らかの理由で指示に従わず、止まっていた前方の列車に衝突した。前方の列車の乗客は「30分間停車した後に突然、衝撃を受けた」と語った。10号線は同日夜、運行を再開したが、申通地鉄は事故調査委員会の指示により、28日から事故現場を含む一部区間は運行を止めることを明らかにした。

1995年に開業した上海の地下鉄は今年6月末時点で、11路線を運行。営業距離は合計420キロメートルと世界最長だ。市中心部を通る10号線は、上海万博の開幕に併せて2010年4月から順次開通した。

10号線では今年7月28日に本来の進行方向と逆に発車するトラブルが発生。8月2日にはある列車が突然、動かなくなり、後続列車が近くの駅まで押していく事態となった。いずれも信号機の故障が原因とされる。

 10号線の信号システムの製造元は仏重電大手アルストムと中国の信号機メーカー、中国鉄路通信信号の合弁会社。中国鉄路通信信号は7月に信号設備故障を引き金に衝突事故を引き起こした高速鉄道の路線にシステムを供給していた。この合弁会社のシステムは上海のほかにも遼寧省大連や吉林省長春、天津市、広東省深セン市、同広州市の地下鉄でも採用されているという。

交通の足として定着している地下鉄の事故は市民に大きな衝撃を与えている。温州の高速鉄道事故は落雷が信号機故障の引き金とみられるが、今回は度々、トラブルを起こしており、「安全対策は十分だったのか」(50歳代女性)と不安の声も出ている。

衛生局などと共に会見した申通地鉄の兪光耀総裁は事故を陳謝した上で、「原因究明に努める」と強調した。上海市トップの兪正声党委書記は27日、「十分な検証を進めるよう」指示を出した。

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