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印タタ自動車社長がタイで死去 自殺の可能性も

【ムンバイ=堀田隆文】インド自動車大手、タタ自動車のカール・スリム社長(51)が26日、宿泊していたタイ・バンコクのホテルから転落し、死去した。警察が死亡時の詳しい状況を調べている。同氏は英国人で、米ゼネラル・モーターズ(GM)などを経て2012年10月にタタ自社長に就任した。販売低調に悩むタタ自再建を請け負っていただけに、死去は同社には痛手。27日にタタ自の株価は下落した。

スリム氏はタイ法人の役員会出席のため、妻とともにバンコクに滞在していた。現地報道などによると、同氏は宿泊先のホテルの22階から転落。部屋からは同氏が書いたと思われる手紙が見つかったとされ、自殺の可能性がある。

スリム氏は生産畑で豊富な国際経験があった。GMに17年間在籍。同社のインド法人トップを務めたほか、中国やカナダ、ポーランドで活躍。GM以前にはトヨタ自動車に勤務した経験もある。これらの手腕を買われ、タタ自では、08年に買収した英高級車ブランド、ジャガー・ランドローバー(JLR)を除く全事業を統括していた。

タタ自は12年後半から国内市場での販売が低調になっていた。09年に世界の話題をさらう形で投入した格安車「ナノ」が失敗。その後、目ぼしい新型車がなかった。

スリム氏は就任早々から「再建人」として期待された。しかし13年4~12月のタタ自の乗用車販売台数は37%減。景気減速を受けて全体に低調な同国自動車市場の中でも、主要メーカーで最大の落ち込み幅となり、いまだ活路がみえない状況だった。

タタ自は1月、仕様を大幅に変えたナノの改良車を投入。2月初旬に開幕するデリー自動車ショーでも新型車を発表すると公表しており、まさに反転攻勢の機運が出始めた直後の出来事となった。タタ自の株価は27日に終値ベースで前日(24日)比6%下落した。

タタ自は今後の経営体制について明確にしていない。タタ・グループを統括するサイラス・ミストリー氏は今回の不測の事態を受け「スリム氏は難しい時期に強いリーダーシップを発揮する貴重な仲間だった」とのコメントを発表した。ミストリー氏も12年末にグループ総帥に就いたばかり。スリム氏の死は、新体制に移行しつつあるタタ・グループ全体にとっても痛手となる。

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