中国新幹線、「独自技術」譲らず 特許申請巡り鉄道省

【北京=森安健】中国鉄道省の技術責任者、何華武氏は27日、北京・上海高速鉄道(中国版新幹線)の30日の開業を前に北京市内で記者会見し、同新幹線が自前の技術であると強調した。「(日本の技術を)引き入れ、消化・吸収し、革新した」などと「自主研究」に基づく成果だと力説、車両を開発した中国南車が米国で特許申請を検討していることを正当化した。
会見に同席した中国南車の馬雲双・首席技術者は「2004年に川崎重工業と協力して時速200キロの車両を受け入れ、共に設計、研究、試験をした後に国産化した」「研究所や大学からアドバイスを受けながら、トンネルが多い中国の事情に合わせた」などと説明した。
時速350キロ以上での走行が可能な新幹線の車両「CRH380A」は日本の新幹線「はやて」を基に造られた。中国国内の利用を条件に技術供与を受けたが、中国側は輸出を視野に特許申請を狙っている。米国での高速鉄道の受注をにらみ日中間の特許紛争に発展する可能性がある。