2018年4月21日(土)

ソニー、経営に打撃 情報流出「史上最悪の恐れ」
「なぜ発表に1週間」利用者に怒りの声

2011/4/27付
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 【シリコンバレー=岡田信行】ソニーがインターネット配信サービスで大量の個人情報が流出した恐れがあると発表し大きな波紋が広がっている。同社はコンテンツのネット配信サービスをデジタル家電事業の厳しさを補う重点分野と位置付けている。今回の事件はゲーム事業だけにとどまらずソニーの成長戦略全体に影響を及ぼす可能性がある。

過去の主な個人情報流出
2004年ソフトバンクBBの通信サービスの顧客住所など450万件以上流出
05年米国のカード決済システムへの不正アクセスでビザやマスターカードなどのクレジットカード情報約4000万件が流出した可能性
06年KDDIのインターネット接続サービスの顧客住所など約400万件が流出
米AOLのインターネット検索履歴約66万件が流出
09年アリコジャパンの顧客カード番号など最大13万件が流出
10年米AT&Tで顧客の電子メールアドレス11万件以上が流出の恐れ

 現時点ではハッカーの身元や、実際の流出状況、当局の捜査状況など、詳細は一切明らかになっていない。米メディアは「史上最悪の情報流出の恐れ」(米ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版)など一斉に大きく報じており、事態収拾には時間がかかりそうだ。

 ソニーはデジタル家電で韓国勢などとの競争が激化、特にテレビ事業は赤字が続く。テレビでは「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」をベースとした映画などの配信サービス「Qriocity(キュリオシティ)」を利用できるようにし、ネット対応の強化に活路を探っている。26日に発表したタブレット端末も、ソニーのコンテンツ配信サービスを利用しやすい点が売りだ。

 PSNは21日から運用停止とし、「障害が発生した」と説明していたため、今回の発表を受けて、利用者から怒りの声が上がっている。同社の掲示板には「なぜ発表に1週間もかかったのか?」などの書き込みが殺到している。

 ソニーはハード(機器)と映画・音楽などコンテンツ(情報の内容)を融合したネット配信でアップルやアマゾン・ドット・コムなどに対抗する戦略を推進。ハワード・ストリンガー最高経営責任者(CEO)の後継最有力と目され、1日に昇格したばかりの平井一夫副社長がけん引役だったが、大きくつまずいた格好だ。

 ネットワーク配信事業では2012年に3000億円の売上目標を掲げているが、事件を機に顧客離れが進めば、達成が厳しくなる公算が大きく、ソニーのデジタル家電の販売にも影響を及ぼす可能性がある。

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