2018年7月23日(月)

オバマ氏と習近平氏、欧州舞台に外交戦

2014/3/28付
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 【パリ=中澤克二、ローマ=吉野直也】オバマ米大統領と習近平・中国国家主席が欧州を舞台に外交戦を繰り広げている。オランダ・ハーグで24~25日に開かれた核安全保障サミットを皮切りに訪問各国で存在感を示す。ウクライナを巡り米国は欧州を引き込んでロシア包囲網を強化。中立を決め込む中国は、経済力で欧州への影響力を高める戦術を採る。対照的な動きは今後の国際政治、経済を大きく左右しそうだ。

 オバマ大統領はロシアのクリミア編入がもたらす国際秩序の動揺に対し、ロシア批判と追加制裁で米欧の歩調を一致させた。24日の緊急主要7カ国(G7)首脳会議では、軍事介入による領土変更は「国際社会への挑戦だ」と訴えた。欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領やバローゾ欧州委員長、北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長とも対ロ圧力の強化で一致、米欧日による「ロシア包囲網」を形成した。

 一方で、主権や領土に関する「国際法の順守」の原則を強調、東シナ海や南シナ海で挑発を繰り返す中国に対する間接的な圧力も計算している。

 25日には冷え込む日韓関係を仲介する形で、日米韓3カ国首脳会談を開き、共同軍事演習やミサイル防衛(MD)を巡る協力拡大で合意した。念頭に置く北朝鮮の先には中国も見据える。

 これに対し、「中立」を貫く習近平主席は経済外交で中長期的な影響力拡大を狙う。資金力を背景にフランス、ドイツ、EUとの経済、産業面の関係強化に力点を置く。

 パリでの26日の中仏首脳会談後には両国の閣僚、企業トップらが約50項目、総額は180億ユーロ(約2兆5千億円)にのぼる契約書に次々と署名した。中国自動車大手、東風汽車と仏プジョーシトロエングループ(PSA)の提携、欧州エアバスの旅客機70機の購入、原子力協力などが並ぶ。

 「雇用や経済成長につながる」。オランド氏は共同記者会見で手放しで評価した。低迷する仏経済へのテコ入れを優先し、首脳会談ではチベット自治区の人権問題などに深入りしなかった。習氏も「中仏両国の緊密で永続的な全面的な戦略パートナー関係の新時代を切り開きたい」と応じた。

 欧州各国は13億人を超える中国市場からの閉め出しを恐れる。過去にダライ・ラマ14世と会談し反発を受けたキャメロン英首相やメルケル独首相も最近は中国への刺激を避けている。習氏が28日から訪れるドイツでも中国企業が技術力のあるドイツの中小企業を買収する例も多く、中国の存在感が増している。中国は経済力を背景に欧州との関係で優位な立場を築きつつある。

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