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米長期金利に上昇圧力、10年物国債利回り4%に接近

【ニューヨーク=山下茂行】米長期金利の上昇圧力が強まっている。指標となる10年物国債利回りは先週、年4%の大台に一時急接近した。ギリシャに端を発した南欧の財政問題でソブリンリスク(国家の信用リスク)に敏感になっているほか、人民元やグーグル問題を背景に、中国による米国債購入が鈍化しかねないと懸念されていることなども材料視されている。

米10年物国債相場は24日に急落(利回りは急上昇)。フィッチ・レーティングスがポルトガルの長期格付けを引き下げたのを受け、ソブリンリスクを嫌気する空気が強まる中で大量の売りが出た。5年物国債の入札が不調に終わったことも加わって、売りは加速。翌25日には利回りは一時3.92%と約9カ月ぶりの水準まで上昇した。

先週後半は対ユーロでドル相場が上昇する場面が目立ち、南欧諸国ほど米国のソブリンリスクが深刻に意識された形跡はない。ただ、景気対策に伴う大量の国債発行が続いているため「供給過多による需給の崩れ」(米調査会社ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツ)を懸念するムードはじわじわと強まっている。

24日の5年物国債入札では、海外中央銀行などを含む「顧客の応札」が約189億ドル(1兆7000億円)と昨年7月以来の水準に低迷。市場では「人民元などを巡る摩擦から、中国が米国債の買いを手控えているのでは」(米国債トレーダー)との憶測も浮上する。3月期末を控えて邦銀勢の買いが鈍っているとの声も出ている。

米国では国勢調査の実施に伴い、今年前半を中心に政府による一時雇用が増える。4月2日発表の3月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比で30万人増えるとの予測もあり、予想外の雇用改善で景況感が改善し、利上げ時期が早まるとの観測などが出て債券の売り要因になることを警戒する空気も広がる。一方、米連邦準備理事会(FRB)は3月末で住宅ローン担保証券(MBS)の購入を打ち切る。

財政不安が広がる中での景気見通しの好転、金融政策正常化への不透明感、米中摩擦による米国債の消化停滞懸念――。様々な要因が絡む長期金利の上昇圧力が続けば、いずれは住宅ローンなど融資金利にも波及し、一進一退の住宅市場や企業・家計向けの貸し出しに悪影響が及びかねない。

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