中国、砕氷船で北極海航路を初往復へ 調査隊、27日出発

2012/6/27付
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【北京=森安健】中国にとって5度目となる北極調査隊が27日に上海港を出発し、約90日間に及ぶ調査を開始する。今回は砕氷船「雪竜」が、ロシア沿岸の「北東航路」を初めて往復。将来の商業航路としての本格利用に向け、夏場の海氷の溶け具合などを調べる。北極海では近年、航路や海底資源開発などをめぐってロシアや米欧各国の動きが活発になっているが、中国も調査船派遣で存在感を誇示する。

国営の新華社通信によると、隊員約120人を乗せた「雪竜」は上海を出航後、青島港に立ち寄った後、ベーリング海峡からロシア沿岸を通り、北大西洋のアイスランドに到着。5日間停泊した後、ノルウェーやグリーンランド(デンマーク領)付近を回って再び北東航路で戻る。9月下旬に上海港に帰還する予定だ。

調査隊は中国国家海洋局を中心に構成し、フランス、デンマーク、アイスランド、台湾の科学者も同乗する。地球環境の変化が北極周辺の海洋にどのような影響を与えているかを調査する。

中国は過去4度にわたり北極調査隊を派遣。従来は北極点への接近などに主眼を置いていた。今回は大西洋に抜けるルートの実情を調べるのが狙い。近年、民間の商船が夏季に実験的にロシア欧州部などから北極海経由で中国に鉱物を運んだことはあったが、中国の砕氷船が北東航路を往復するのは初めてとなる。

北東航路は、マラッカ海峡やスエズ運河を通ってアジアと欧州を結ぶ従来の航路に比べ、距離が約4割縮まり、期間や燃料の節約などで利点がある。以前は夏季でも海氷が多かったが、近年は温暖化の影響で数カ月間は海氷が溶けた部分が増え、ロシア砕氷船が同行することを条件に航行できるようになっている。

中国は最大の輸出先である欧州市場と自国を結ぶ新たなルートとして北東航路を重視。胡錦濤国家主席が今月、デンマークを公式訪問したほか、温家宝首相が4月にアイスランドとスウェーデンを公式訪問するなど、北極周辺国との首脳外交を重ねている。

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