中国が集会封じ込め 民衆の不満、根深さ露呈

2011/2/28付
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【北京=尾崎実】中国当局が敷いた強固な警備・監視網の前に人々は沈黙し、今回も民主化を求める集会の開催は不発に終わった。ただ、上海では前回の20日を上回る1000人近い群衆が集まっており、国民が抱えた不満の根深さが改めて浮き彫りになった。

北京最大の繁華街、王府井大通り。開催予定時刻の午後2時(日本時間同3時)、周囲を威嚇するように警察犬を連れた警官が巡回を始めた。武装警察が隊列を組んで行進し、清掃車が散水で通行人を脇道へと追いやる。当局が示した開催阻止の強硬姿勢。政治改革や一党独裁廃止など、反体制派ニュースサイトに掲載されたスローガンを叫ぶ者はいなかった。

同サイトはサイバー攻撃で閉鎖され、当局は国内のサイトに転載された呼びかけ文の削除を徹底。治安問題を担当する党政法委員会は、北京、上海に群衆が集まった20日以降、各地の治安部門に「集会組織者らには(最高刑が無期懲役の)国家政権転覆罪の適用で臨め」と厳命した。

各地の公安局はメールの転載者や演説者らを次々に拘束し、呼びかけ文を書き込み続ける人物の割り出しを続けた。一連の圧倒的な警戒・ネット監視システムが反体制のうねりを封じたのは間違いない。

一方で、北京の若手民主派グループ幹部は「都市住民の弾圧に対する不安も影響した」と指摘する。1989年の天安門事件で、学生らの民主化運動が武力弾圧を受けたことが、行動を起こす上での大きな壁になっているという。

呼びかけ人は、この間「政府転覆を求めない」「スローガンは叫ばなくてもいい」とのメッセージを繰り返し発信。しかし、人々の警戒心を解くことはできず、徹底した愛国教育の影響で体制批判への抵抗感の強い若者らの共感も得られなかった。

とはいえ、上海には前回を超える群衆が集まり、高齢男女のグループが「いくら働いてもマンションが買えない」「物価が高く生活できない」と通行人らに訴えた。呼びかけ人は毎週日曜日の集会開催を提唱しており、民主化を目指す勢力と当局のせめぎ合いは当面続きそうだ。

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