2018年11月16日(金)

朴大統領、政権運営厳しく 韓国首相が引責辞任へ

2014/4/27付
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【ソウル=内山清行】韓国の南西部・珍島沖で起きた旅客船セウォル号沈没事故で、朴槿恵(パク・クネ)大統領は27日、救助活動などが一段落した後に、政権ナンバー2である鄭●原(●は火へんに共、チョン・ホンウォン)首相を辞任させる考えを明らかにした。政府の事故対応に批判が噴出しているのを受けた措置。ただ、世論の不満が収まる保証はない。昨年2月の就任後、安定感をみせていた朴氏の政権運営は厳しい局面を迎えている。

鄭氏は同日午前、緊急記者会見を開き「事故前の予防から初動対応、収拾過程まで多くの問題に的確に対処できなかった」と述べた。その上で「国民に謝罪し、責任をとる」と辞意を表明した。

これを受け、朴氏は「今は救助作業と事故の収拾が最優先だ。その後に辞表を受理する」との考えを示した。大統領府報道官が同日午後、明らかにした。

事故を巡っては、救出活動が遅れる中、発表を何度も訂正したり、政府高官の無神経な言動で世論の反発を招いたりする例が続出。船舶の安全検査にも疑念が示され、海運行政への批判も高まっている。

「国民に謝罪します」。韓国の鄭首相は沈没船事故対応の不手際を認め、引責辞任を表明(27日)

「国民に謝罪します」。韓国の鄭首相は沈没船事故対応の不手際を認め、引責辞任を表明(27日)

朴氏の支持率も指導力への期待からいったん上昇した後、下落を始めた。韓国は6月に統一地方選を控える。与党セヌリ党の一部からも、選挙への悪影響を懸念して、政府の責任を追及する声がでていた。

首相辞任は朴政権にとって打撃だが、政府批判が高まるなか、誰かが責任を取る姿勢を見せた方がよいとの判断だ。ただ、安否不明者はなお100人を超す。逆風が収まるかどうかは不透明だ。

最大野党、新政治民主連合の安哲秀(アン・チョルス)共同代表は27日、鄭氏の辞意表明を受けて記者会見し「首相がこの時期に辞任するのは無責任。事態の収拾を優先すべきで責任問題はその後だ」と批判した。

事故対策が一段落した後に辞表を受理する方針が伝わったのは安氏の会見後。結果として野党トップが指摘した通りになった。「首相辞任カード」がどこまで世論対策となるかは見通しにくい。

安氏は会見で「まず朴大統領が反省し謝罪しなければならない」とも強調した。選挙を控え、野党の政権攻撃が一段と強まるのは避けられない。

安全行政相や海洋水産相など関係閣僚を含む大幅な内閣改造論もくすぶる。一方で、北朝鮮の脅威や地方選を前に、政治空白を懸念する声もある。朴氏は難しい政局判断を迫られそうだ。

事故は4月16日朝に発生。27日現在、174人が救助され、死者・行方不明者は302人。韓国で過去最悪の船舶事故となる恐れがある。

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