北朝鮮レストラン、オランダで廃業
【ブリュッセル=共同】オランダのアムステルダムに今年1月に開店したばかりの北朝鮮料理のレストランが、オランダ人経営者と北朝鮮出身の従業員らの対立のため9月初めに廃業に追い込まれたことが26日までに分かった。地元メディアは、経営者が北朝鮮の外貨獲得政策に利用されたとの見方を示している。
オランダのメディアによると、レストランは「ピョンヤン」と名付けられ、北朝鮮に関心を持つオランダ人のファンダール氏らが出資して今年1月に開店。2月には駐スイスの北朝鮮大使も出席して開店式が開かれた。
北朝鮮から料理人とウエートレスが派遣され、本場の北朝鮮料理と、歌と踊りのショーを楽しめると話題になっていた。
しかし、収益配分などをめぐりファンダール氏と従業員の対立が深まり、従業員らが8月中旬に店の絵画や家具などを無断で持ち出したため、警察に逮捕された。従業員らは逆に「賃金が払われていない」などとして同氏を提訴。店は9月4日に廃業が決まった。
ファンダール氏は北朝鮮を何度も訪問し、文化交流の一環としてレストラン経営を思い立った。事業の失敗について「北朝鮮側は欧州での労働許可を取るために私を利用した」と話している。
北朝鮮は中国やタイ、ネパールなどアジア各地で地元資本と提携してレストランを開き、収益や従業員の賃金の一部を本国に送金させているとみられている。韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮レストランは、欧州では1990年代半ばに一時、ウィーンに店があっただけという。
北朝鮮料理は味付けなどに差はあるが、一般的には韓国料理と同じ。