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中国、権力争い情報戦 温首相に巨額蓄財報道

指導部交代控え薄氏派がリークか

中国共産党の指導部が交代する第18回党大会まで2週間を切るなか、権力闘争を背景にした情報戦が活発になってきた。25日には保守派グループが温家宝首相の汚職を糾弾する文書を広め、26日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、温首相の親族が巨額な資産を保有していると報じた。薄熙来・前重慶市共産党委員会書記に批判的だった温首相を狙い撃ちし、薄氏の支持者が情報を提供したとの見方が浮上している。

「温首相の妻、子ども、兄弟など親せきは、合計で27億ドル(約2150億円)に上る資産を管理する」。タイムズ紙は記事でこう指摘した。首相の90歳になる母が持ち株会社を通じて大手保険会社、平安保険の株式1億2千万ドル分を保有していることなどを詳細に描いた。中国では同日朝からタイムズ紙のウェブサイトは閲覧不能になった。

公開資料に基づいているとはいえ、関係者の氏名や持ち株会社の仕組みなどは協力者がいなければ知り得ない情報で、北京では「リーク」との見方が広がる。6月には米ブルームバーグが習近平・国家副主席の親族に関して同様な記事を報じ、大きな話題となった。

折しも26日には保守派の薄氏が全国人民代表大会(全人代)の代表資格を失い、不逮捕特権を奪われた。

北京では11月8日の党大会を前に指導部の人事の最終調整がなお続く。指導部入りを目指す候補者同士の争いにとどまらず「引退後に自分のスキャンダルが表面化しないことの確約を求めて現職が奔走している」(北欧の大使館)とされる。

さらに長老を巻き込んでの「代理戦争」の様相も呈している。薄氏に近かったとされる江沢民前国家主席は最近、大学視察や歌劇鑑賞など公の場に頻繁に登場し健在をアピール。これに対し江氏のライバルだった李瑞環・前政治協商会議主席が今月7日、テニスの中国オープンを観戦し久しぶりに姿を見せた。同伴したのが薄氏と犬猿の仲とされる呉儀・元副首相だったことも政治的なメッセージだった。

保守派の学者らは19日、全人代に公開書簡を送り、薄氏を巡る公正な審理を求めた。賛同者の数は千人を超えており、「習近平体制」の発足後も路線対立が残ることを示唆した。(北京=森安健)

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