2019年2月20日(水)

エジプト、続く反政府デモ 政府が集会禁止
貧困・失業への不満噴出

2011/1/26付
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【カイロ=花房良祐】エジプト各地で25日、ムバラク政権下の29年で最大級とみられる数万人規模の反政府デモが発生し、治安当局の強権発動で鎮圧された。内務省は26日、今後のデモ参加者は訴追し、集会を禁止すると発表するなど厳しい姿勢で臨む方針を示したが、同日も数千人規模のデモが発生。ベンアリ前大統領が亡命したチュニジア政変に触発された市民の抗議行動は、アラブで最大の人口を持つ大国エジプトに波及した。

ムバラク大統領=ロイター

治安当局は25日のデモを催涙弾の発射や放水で抑え込んだ。AP通信によると、同日の衝突で4人が死亡、約250人が負傷した。25日のデモは簡易ブログツイッター」などで周知されたため、当局はツイッターへの接続を禁止した。

野党勢力は26日以降もデモ継続を呼びかけ、ロイター通信によると同日もカイロ中心部で数千人規模のデモが発生、治安当局と衝突した。同通信によると、当局は26日までの2日間で約500人を逮捕した。

大規模な反政府デモが連日発生したことで、今年秋に予定される大統領選挙の動向は不透明さが増しつつある。25日には野党勢力がムバラク大統領の不出馬を要求。ムバラク氏側が今後、民主化に向け譲歩する可能性もある。ただチュニジアではベンアリ前大統領が「引退表明」をしてデモを鎮めようとしたが、むしろ勢いづかせた側面もある。デモが今後一段と活発になるようなら、ムバラク氏は難しいかじ取りを迫られる。

政変が起きたチュニジアや既にデモが発生している各国と同様に、エジプトのデモの背景には経済政策への不満がある。2010年の経済成長率は5.3%を達成する見通しだが、国民の約4割が1日2ドル以下で生活する貧困層で、格差も拡大している。国有企業の民営化など自由化政策は経済の効率化をある程度果たしたが、"改革の果実"は隅々まで行き届いていない。

若年層の失業問題も深刻だ。18~29歳の失業率は22%に上るとの推計もある。同国は人口約7800万人のうち約6割が30歳未満。若者同士の就職機会の奪い合いも激しい。職探しに有利になるよう、職業訓練の受講も活発だ。

エジプトではこれまでもムバラク氏に対する退陣要求デモは小規模ながら発生。ただ04年ごろから与党幹部でムバラク氏の次男ガマル氏が側近を政権幹部に登用。経済自由化が加速し、07~08年ごろから格差拡大や縁故主義への不満が急速に高まっていた。

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