2019年2月22日(金)

カタルーニャ州議選、独立派過半数 スペイン緊縮財政に不満

2012/11/27付
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25日投開票されたスペイン北東部カタルーニャの州議会選挙は、スペインからの独立を訴える勢力が過半数の議席を獲得した。ラホイ首相が進める緊縮財政や労働市場改革への不満を色濃く映した結果といえる。ラホイ首相は独立は認めない方針だが、州議会選を受け独立推進派は勢いづいており、首相は一定の譲歩を余儀なくされそうだ。

「独立派の勝利だ」。州議会第2党に躍進した左翼共和党(ERC)幹部はラジオ番組でこう述べ、マス州首相が属する第1党「カタルーニャ集中と統一」(CiU)との連携に意欲を示した。両党が協力すれば、議会の過半数の勢力を握る。マス州首相も25日夜、「我々は目標をあきらめない」と述べており、同党が目指していた独立を問う住民投票実現に一歩近づいたことになる。

一方、スペイン中央政府は独立を問う住民投票は憲法違反との立場。「カタルーニャがスペインでなくなることはありえない」(ラホイ首相)として、州側が住民投票を強行すれば差し止め措置をとるとみられる。

仮に同州が独立を宣言しても、次のプロセスとして欧州連合(EU)への加盟手続きが必要となる。中央政府との関係がこじれるなどの事態となれば、加盟に膨大な時間がかかりそうだ。カタルーニャが独立を果たしても、EUに加盟しなければ独立を支持しない州民は半数を超えるとの世論調査もある。

ラホイ首相にとって、10月下旬のバスク州や今回のカタルーニャ州議会選での独立推進派の躍進は、国家や政権存続の観点から無視できない動きだ。このため首相は独立は認めない立場を堅持しつつ、独立派に何らかの譲歩を示すとみられる。

譲歩策として今後浮上しそうなのが、カタルーニャ州側が求める徴税権の移譲と、中央政府が進める財政再建のペースを落とすことだ。スペイン全体の約2割の国内総生産(GDP)を生み出す同州は中央政府に過剰に税収を吸い上げられているとの不満が強く、徴税権の移譲を求めている。

金融市場では、欧州中央銀行(ECB)にスペイン国債を買ってもらうためのユーロ圏への支援申請を「中央政府が見送り、財政再建の手を緩める可能性が出てきた」(欧州証券)との観測が浮上。実際、26日の欧州市場では、ユーロが対ドルで一時下落。「欧州債務危機を巡り、スペイン情勢の不透明感が増した」ことを嫌気したようだ。

中央政府が支援申請に踏み切れば、緊縮財政に反発する独立運動が一段と激しくなる恐れがある。同国国債利回りは10年債で5%台と「危険水準」とされる7%を大きく下回っており、自力での資金調達が可能な状況にある。こうした現状を踏まえ、ラホイ政権が支援申請を見送る可能性は残っている。(バルセロナ=竹内康雄)

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