2019年1月24日(木)

米ロ、新核軍縮条約で合意 戦略核配備は最低水準に

2010/3/27付
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【ワシントン=大石格】米ロ両政府は26日、昨年12月に失効した第1次戦略兵器削減条約(START1)を引き継ぐ新核軍縮条約を4月8日にチェコのプラハで調印すると発表した。オバマ、メドベージェフ両大統領が26日、電話で協議し、最終合意に達した。

START1に比べて戦略核弾頭を各6000発から1550発に、大陸間弾道弾(ICBM)や長距離爆撃機などの運搬手段は1600基・機から800基・機(非配備分を含む)に大幅削減する。核弾頭数、運搬手段とも過去最低となる。

記者会見したオバマ氏は「(核兵器という)20世紀の遺産を置き去りにする新たな一歩だ」と力説した。世界の核兵器の約90%を保有する二大国による軍縮合意は、オバマ氏が昨年4月に提唱した「核兵器のない世界」の実現に向けた動きに弾みを付けそうだ。

4月の核安全保障サミット、5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議などの場で、中国など他の核保有国を含めた新たな軍縮の枠組みづくり、北朝鮮などによる核開発の封じ込めなどが今後の課題として論議されるとみられる。オバマ氏は「核拡散を阻止し、テロリストから核物質を保護し、核兵器を削減するという包括的課題を進める」との道筋を示した。

米ロは昨年4月、1991年に締結したSTART1を引き継ぐ条約の締結交渉を開始。米国のミサイル防衛(MD)にも制限を加えるようロシアが求めたため、難航し、昨年12月から戦略核兵器の規制がない状態に陥っていた。

米ホワイトハウスによると、新条約はMDに言及していない。オバマ氏に続いて記者会見したゲーツ国防長官は「核削減は米国の安全保障をいささかも損なうものではない」と強調した。

米側は条約の履行状況を相互に検証する措置の確保を求めていた。新条約には「検証」の条項はあるが、具体的な記述はなく、START1が定めたロシアの核施設への米監視員が常駐するかは不明だ。

核弾頭や運搬手段の大幅削減には、実戦配備から既に外れている老朽装備の廃棄という意味合いもある。核専門家は世界の核バランスに直ちに影響はないとみている。

米ロの当面の課題は両国の議会が新条約を批准するかどうかだ。クリントン国務長官は記者会見で議会対策に全力を挙げる考えを表明した。米上院での批准には3分の2の賛成が必要で、オバマ外交を弱腰と批判する野党の共和党の支持取り付けが焦点となる。93年に米ロが調印した第2次戦略兵器削減条約(START2)は米議会が批准せず、発効しなかった。

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