EU大統領、欧州共同債を提案 財政統合へ工程案

2012/6/26付
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【ブリュッセル=御調昌邦】欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領らは26日、将来の金融・財政統合に向けた工程表の素案をまとめた。中期的な課題として、EUやユーロ圏で共同で債券を発行して資金を調達する「欧州共同債」を提案した。銀行監督の一元化については「すぐに進展させなければならない」としたうえで、欧州全体で域内のすべての銀行の経営に介入する権限が必要と指摘した。

同案はファンロンパイ大統領が欧州委員会のバローゾ委員長、ユーロ圏財務相会合のユンケル議長、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁と協力して作成した。28~29日のEU首脳会議で提案する。向こう10年かけて実現していく課題とし、個別の改革の実行時期などはあいまいな状態だが、12月に詳細な提案をすることも明らかにした。

今回の案では、さらなる欧州の経済統合に向け(1)金融統合(2)財政統合(3)経済政策の統合(4)民主的法制度――の4つが柱になると指摘した。

財政統合に関しては「欧州危機で特にユーロ圏で相互関係が高いことが明確になった」として、欧州各国が財政規律を順守しなければならないことを強調。そのうえで「中期的に共通債務の発行を検討すべきだ」と明記し、加盟国が共同で資金調達できる欧州共同債の必要性を指摘した。

ただし共同債では「明確な財政規律の枠組みや(野放図な財政政策に陥る)倫理観の欠如を防ぐ仕組み」が重要になるとの見解も示した。段階的な取り組みとして、短期的な資金調達の仕組みなどを挙げた。

銀行同盟に関しては、スペインなどで財政と銀行部門の問題が負の循環で悪化するリスクが高まる「制度的な欠点が明らかになった」と指摘。欧州委員会のバローゾ委員長は26日の講演で「(財政統合よりも)銀行同盟から始めるべきだ」と述べ、早急な対応が必要との考えを表明した。

EU規模で金融の取引規制やリスク管理などを実施する必要があり、最終的には「欧州全体で監督権限を持ち、すべての銀行に対して強制介入できるようにすべきだ」と指摘。欧州規模の監督機関の必要性を示唆した。これに合わせて、預金保険制度の統合も必要との見解を示した。

ユーロ圏とそれ以外の地域で、金融規制の枠組みで一部に差があっても構わないとの見方を示し、ECBの銀行監督権限を強化していく可能性を明らかにした。

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