エジプト憲法草案、大統領に提出 宗教政党の禁止規定か

2013/8/26付
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【カイロ=押野真也】エジプトの新憲法案を議論してきた10人から成る専門家委員会は草案をまとめ、マンスール暫定大統領に提出した。地元メディアが26日伝えた。宗教政党の禁止が盛り込まれているもようだ。実際の制定には大統領の承認や国民投票などの手続きを経る必要があるが、モルシ前大統領を支持するイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の政治活動も禁じられる見通しだ。

今回提出された憲法案は宗教組織による政党結成を禁じたほか、上院に相当する諮問評議会を廃止して一院制にすることなどが特徴だ。現在、上下両院とも解散しているが、同胞団は傘下に「自由公正党」を持ち、これまで上下両院で過半数近い議席を確保していただけに、強い反発が予想される。

今回の憲法案は、同胞団への弾圧を強める軍や暫定政権の意向が色濃く反映しているといえそうだ。ただ、同胞団以外の原理主義組織も傘下に政党を持っており、同胞団とともに反対を表明する可能性が高い。

今回の憲法案を大統領が承認すれば、50人の専門家で構成する憲法改正委員会が新憲法案の原案として議論し、最終案を作成する。その後、国民投票にかけて過半数の賛成が得られれば施行される見通しだ。

軍は7月3日にクーデターを起こしてそれまでの憲法を停止。現在は憲法に代わる大統領令によって統治する状態が続いている。

エジプト暫定政府がこれまでに発表している政権移譲の「行程表(ロードマップ)」では、年内に新憲法案の是非を問う国民投票を実施する計画。新憲法制定後に選挙法を新たに整備し、議会選挙と大統領選挙を来春までに実現させ、本格政権に移行させる考えだ。

ただ、同胞団などのイスラム勢力が強く反対する憲法案の制定を急げば同勢力と軍・暫定政権との対立がさらに深まりかねない。金曜礼拝日にあたる30日には同胞団は再び大規模デモを呼び掛けている。

同胞団以外のイスラム勢力はこれまで同胞団とは距離を置いてきたが、憲法案を巡って同胞団と共闘する勢力が出る可能性もありそうだ。

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