サムスン、対アップル攻勢に転換 スマホ訴訟泥沼化

2011/9/27付
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 【ソウル=尾島島雄】韓国のサムスン電子と米アップルとの間で、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などの知的財産を巡る訴訟が泥沼化してきた。サムスンはオランダでアップルの既存製品の販売禁止を求め、影響の大きな次期製品「iPhone(アイフォーン)5」でも販売中止の仮処分申請を検討するなど攻撃姿勢に転換。対立は落としどころが見えなくなっている。

高速携帯電話サービス「LTE」対応の新型スマホを手にする申無線事業部長(26日、ソウル市内)
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高速携帯電話サービス「LTE」対応の新型スマホを手にする申無線事業部長(26日、ソウル市内)

 「適当な時期に法務チームが発表するだろう」。26日のソウル市内での記者会見。iPhone5への対応を問われたサムスン電子の申宗均(シン・チョンギュン)無線事業部長は、言葉少なにこう語った。

 明言はしないが、これまで消極的とみられてきた仮処分申請を示唆したものと関係者は受け止めた。同日にはオランダで提訴していた法廷で、アップルの既存製品を対象に販売禁止を要求。各地で販売を止めるよう求めれば、アップルとの対立は後戻りできない深みにはまりかねない。朗らかな性格の申氏だが、顔つきはいつになく険しかった。

 スマホを巡りアップルが4月「操作方法が似ている」として米国で仕掛けたサムスンとの訴訟は双方の提訴が続き、9月中旬の時点で10カ国27件に拡大している。

 当初は一定の段階でのクロスライセンス契約などで円滑に収束させるとみられていた。サムスンにとりアップルはスマホで最大のライバルであると同時に、半導体などの最大級の顧客。こうしたねじれの関係があるため、サムスンは当初、早期の和解を想定していた。

 しかしスマホに加えタブレット端末でも足元を脅かすサムスンに対し、アップルは急所を突くかのように攻勢をかけてきた。8月にはサムスンの物流施設があるオランダでスマホの販売を差し止める仮処分が決定。欧州全土へと影響が広がりやすい拠点が狙い撃ちになった。

 今月上旬には晴れの舞台である独家電見本市「IFA」でサムスンの新型タブレット端末が展示中止に追い込まれる事態も発生。現地で販促の一時停止を命じられたためで、サムスンはメンツをつぶされた形だ。

 ここに及んでサムスンは方針を転換。無線事業部幹部は26日、日本経済新聞の取材に「これからは攻撃的な対応をする」と述べた。発売が近づくiPhone5の仮処分の申請地域は未定だが、アップルとの訴訟で焦点となっている欧州のほか象徴的な意味を持つ韓国も検討しているもようだ。

 両社の係争は外部からは既に「かなりシビア」(LG幹部)だとみられていた。アップルが独裁判所に訴えた根拠は特許ではなくデザイン。形状やアイコンの柄を問う内容で「サムスンの製品は模倣」とのイメージ醸成を狙う意味合いが強い。

 一方、サムスンは通信技術を主な争点にしており、双方が得意とする分野で攻め合っているのが実情だ。どちらかが折れて和解に持ち込んでも、これまでの罵り合いが将来に禍根を残すのは確実。長期戦による法務費用増だけではないリスクを両社は抱え込んだ。

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