2019年7月16日(火)

英BP、米中で石化工場 北米シェールガス活用

2013/7/26付
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【大連=森安健】英石油大手BPはシェールガスを活用した石油化学プラントを米中で建設する。北米に建設する工場ではシェールガスから基礎原料であるメタノールを生産。中国では政府系機関と共同で樹脂に近い材料をつくり、国内の自動車や家電など向けに供給する。26日に発表した。総投資額は5千億円規模で、安価なシェールガスを中国の製造業に生かす太平洋横断のサプライチェーン(供給網)構築を目指す。

事業主体となるのはBPと中国政府系の機関、中国科学院が共同出資で設立した上海碧科清潔能源技術(CECC、上海市)。出資比率はBPが49%、中国科学院が51%。26日、中国側のプラント建設場所となる遼寧省大連市で調印式を開いた。

計画によると、まずBPがシェールガスの豊富な米国とカナダの国境地帯でシェールガスから基礎原料のメタノールを生産する工場を約2000億円かけて新設する。製造したメタノールは船で大連市に運ぶ。

大連ではCECCが160億円かけてメタノールの貯蔵倉庫を設置。さらに1200億円弱を投じてメタノールから中間材料のオレフィンを生産する工場を建設する。

今後、大連市が誘致する合成繊維や合成樹脂の工場群の投資額は1700億円に上るとみられ、米中あわせた総投資額は5千億円規模になる見込みという。調印式では中国建設銀行が中国での部分に最大150億元(約2400億円)を融資する契約に調印した。

CECCの張小莽・総経理は日本経済新聞の取材に対し「北米では大量のシェールガスが発見されており、有効活用すれば石化製品の調達費用を引き下げられる」と語った。大連には天然の深水港があり、大型のタンカーで直接乗り入れることができるのも強みだという。

BP代表として出席したウィーナー・BP中国新エネルギー実験室長は「10年近く前に米で需要が減ったオレフィン部門を売却したが、中国で大きな需要がでてきた。シェールガスを使った新たな製法も見つかり再び乗り出すことになった」と述べた。従来は石油からつくっていた石化製品をシェールガスに切り替えることで環境負荷を減らせるという。

オレフィンは塗料、衣服、包装材などにも活用できる。中国の東北部では自動車、電機などの産業が集積。大連市には東芝、キヤノン、生活用品のアイリスオーヤマなど日本のメーカーが進出している。米半導体大手インテルも大型半導体工場を持つ。

CECCは中国科学院が持つクリーンエネルギーの技術を事業化するために2009年にBPと設立した合弁会社。11年にはオレフィン製造について特許を取得し、12年には広東省で小規模なオレフィン生産拠点に着工した。

プラントを建設する長興島は大連市中心部から車で約90分の距離にある島。中国政府の「東北振興策」の目玉プロジェクトで、石化、造船、クリーンエネルギーなどの産業を集積させようとしている。

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