EU、旧ソ連3カ国と「連合協定」 経済発展後押し

2014/6/27付
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【イーペル(ベルギー西部)=御調昌邦】欧州連合(EU)は27日、ウクライナ、グルジア、モルドバの旧ソ連3カ国と包括的な協力の枠組みを定めた「連合協定」に署名する。3カ国は親EU路線を明確にし、EUは自由貿易協定(FTA)などで経済発展を促す。EUは各国の親ロシア派の活動を警戒して署名を急いできた。3カ国のEUへの接近にロシアは反発を強めそうだ。

「何百万人ものウクライナ国民が望み、6カ月以上戦ってきた」。連合協定への署名を前にウクライナのポロシェンコ大統領は意義を強調。EUのバローゾ欧州委員長も「EUにとって最も野心的な交渉による合意だ」と表明した。

EUは26~27日に首脳会議を開く。EUは2000年代以降、中・東欧に加盟国を広げてきた。連合協定の署名で親EU国をさらに東方に拡大することになり、地政学的にはロシアに迫る。

ウクライナ危機は昨年11月にヤヌコビッチ元大統領が連合協定の署名を見送り、親EU派が抗議活動を展開したことがきっかけとなった。親EU派の暫定政権の発足後、3月に協定の政治部分だけを署名した。5月下旬の大統領選を待っていたEUは、勝利したポロシェンコ氏と27日、残る部分に署名する。

ウクライナに比べて国の規模が小さいグルジアとモルドバも署名する。昨年11月には2014年中に署名する姿勢を示していた。その後、準備作業の速度を上げた。

EUが急いだのは3カ国とも親ロシア派を抱えており、その活動で政治情勢が揺らぐと懸念したためだ。ウクライナ東部で親ロ派が勢力を保ち、グルジアで南オセチア、モルドバでは沿ドニエストルがそれぞれ事実上の独立状態にある。EUは旧ソ連3カ国との署名までに時間をかけるほど、親ロ派が勢いづくと焦りを深めていた。

ロシアは警戒感を隠さない。ラブロフ外相は25日、ロシアの自由貿易圏に悪影響が及ぶなら「絶対に保護的な対策を取る」と述べ、協定に署名した国に関税の引き上げなどの対抗措置をとる可能性に触れた。

EUとロシア、ウクライナは7月11日に連合協定の影響などを閣僚級で話し合う。EU側はロシアに冷静な対応を求める考えだ。一方で欧米はウクライナ危機に絡みロシアへの追加制裁の検討を続けており、対立の火ダネはくすぶる。

EUは26日、首脳会議の一環で第1次世界大戦の開戦100周年の節目に、激戦地となったベルギー西部イーペルで記念式典を開いた。参加した各国首脳を前にファンロンパイEU大統領は演説で「欧州の平和に対する約束は常に世界に開かれている」と表明した。

▼連合協定 欧州連合(EU)が第三国と結ぶ国際協定で、政治と経済を軸に関係を強めるための包括的な協力策を盛り込む。通常は自由貿易協定(FTA)を含む。EUは相手国に基本的人権の尊重や公正な司法制度など民主主義の基本原則を採用するよう求める。締結が将来のEU加盟やオブザーバー参加に直結するわけではないが、加盟に向けた第一歩になることもある。

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