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欧州議会選で反EU派が躍進 統合推進派、対応に苦慮

【ブリュッセル=御調昌邦】欧州連合(EU)で22~25日に実施された欧州議会選では、反ユーロや反移民を掲げるEU懐疑派が躍進した。全体では中道右派が最大勢力を維持したものの、主要会派は軒並み議席を減らした。7月までに決めるバローゾ欧州委員長の後任には中道右派を率いたルクセンブルクのユンケル前首相が有力だが、中道左派などEU統合推進派との連携が不可欠となっている。

「(政治的な)地震だ」。フランスのバルス首相は25日夜、極右政党でフランスで移民の受け入れや欧州統合に反対する国民戦線(FN)が同国で首位になると伝わると、警戒感をあらわにした。オランド大統領出身の中道左派、社会党は3位に沈んだ。一方、FNのルペン党首は選挙後、EUと対峙していく姿勢を鮮明にした。

英国でも反EUを掲げる英国独立党(UKIP)がキャメロン首相の英保守党などを抑えて首位となったもよう。デンマークでも移民受け入れに反対するデンマーク国民党が首位となった。

最大の人口、経済規模を持つドイツではメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)が首位を守ったが、反ユーロを掲げる新党「ドイツのための選択肢(AfD)」が7%の得票率を確保した。

このほか、ギリシャでは反緊縮派の急進左派連合(SYRIZA)が首位。イタリアでは既存政党の政治に反対する「五つ星運動」が2位。欧州議会全体でEU懐疑派が2割を超える状況となった。シュルツ欧州議会議長は「EUにとって悪い日だった」と総括した。

議会では、最大勢力の中道右派の欧州人民党や、第2勢力で欧州社会党が主導する中道左派、中道・リベラル、緑の党などEU統合推進派が主導する状況は変わらない。ただ中道右派と中道左派を足しても過半数をわずかに上回る程度にとどまる。

「(多数を形成するために)極右政党と組むつもりはない」。中道右派で選挙戦の先頭に立ってきたユンケル氏は選挙後に、極右と連立政権の可能性を否定する一方、「中道左派と協力していきたい」とも述べた。

EU全体で10%半ばに高止まりしている失業率を受け、主要会派は雇用問題を最優先の政策課題に掲げてきた。EU懐疑派の躍進を許したのは、既存の主要会派がEUや加盟国レベルで有効な手立てを講じられなかったことが背景にある。EU統合推進派が勢いを取り戻せるかは、雇用問題で結果を残せるかにかかっている。

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