2018年6月20日(水)

[FT]メルケル勝利でも欧州に寛容にならないドイツ

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2013/8/27 7:00
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(2013年8月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ドイツの総選挙がこれほど国際的に注目されるのは珍しい。世界はかたずをのんで結果を待っている。そう、まさに世界は“待ち”に入っているのだ。

 特に欧州では、ユーロ圏の銀行監督の一元化からギリシャの債務免除をめぐる議論まで、あらゆる決定がドイツの次期政権の顔ぶれが固まるまで先延ばしされているようだ。

1年に1回開催される連邦議会の「オープンデー」に参加した市民を迎えるメルケル首相(25日、ベルリン)=ロイター

1年に1回開催される連邦議会の「オープンデー」に参加した市民を迎えるメルケル首相(25日、ベルリン)=ロイター

 想定されるシナリオの1つは、アンゲラ・メルケル首相が再選され、他のユーロ加盟国により寛容な立場をとれるようになる、というものだ。もう1つは野党の社会民主党(SPD)との大連立を余儀なくされるものの、政策への影響は前者とさほど変わらない、というシナリオだ。

 ただ、いずれの見立ても外れるかもしれない。というのも、メルケル首相の人気は高いとはいえ、9月22日の総選挙後はこれまでより自由が利かなくなる可能性があるためだ。

■メルケル支持は6割超

 総選挙の結果がとんでもないサプライズになる可能性は一見低そうだ。世論調査の結果は何カ月も変わらず、国民にも変化を望む空気はない。

 メルケル氏の人気が高いのは、まさにこのためだ。最近のある世論調査では、支持率は63%に達する。一方、ライバルのペール・シュタインブリュックSPD党首の支持率は29%だ。次期首相が誰になるかははっきりしている。

 これが英国や米国であれば、メルケル氏の立場は安泰だ。だがドイツでは連立政権を組むことになっており、メルケル首相のパートナーが誰になるかはっきりしていないのだ。

 下院にあたる連邦議会では、現在の連立相手である中道・自由主義の自由民主党(FDP)とわずかながら過半数を確保できるかもしれない。それでもSPDと緑の党が多数派を占める16の連邦州を代表する上院・連邦参議院とは常に妥協を求められることになる。

 一方、連邦議会でFDPとの中道右派連合が過半数を取れなければ、メルケル氏はSPDか緑の党との連立を目指して交渉をしなければならなくなる。いずれかと連立政権を組むことは数字の上では可能だが、政治的には難しい。両党とも、メルケル氏の率いるキリスト教民主同盟(CDU)とは本来相いれないライバルだからだ。ただ欧州政策についての立場はほぼ一致している。

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