/

バンコク全域で浸水の恐れ 都心や邦人居住区も

タイ洪水、首都の水位「最大1.5メートルに」

【バンコク=高橋徹】タイで深刻化する洪水が首都バンコク全域を浸水させる恐れが出てきた。バンコクのテガチョン副知事は25日夜のテレビ番組で「最悪の場合、2週間以内にバンコク全50区が浸水する可能性がある」と発言。インラック首相も首都内の水位が最大1.5メートルに達するとの見通しを示した。タイ湾が大潮を迎える今週末に向け、緊張が高まっており、同国の主要産業である観光業にも打撃が出始めている。

バンコクには26日にタイ中部の工業団地などを浸水させた大量の水が到達。さらに28日からタイ湾の潮位が上昇する。首都を縦断するチャオプラヤ川の流量が増え、海への排水が進まなくなれば、川が氾濫する恐れが強まる。当局者の見通しでは週末に川の水位は最大2.6メートルに達し、2.5メートルある両岸の防水堤の高さを超える可能性がある。

首相は25日夜「水の圧力は強く、防水堤が耐えられないかもしれない」と説明。防水堤の決壊などが発生した場合「バンコクの水位は平均で50センチになる」との見通しを示し、浸水域が広がることを示唆した。タイ政府はこれまで「バンコクは安全」と繰り返してきたが、楽観的な見通しを大きく修正。住民に自主的な避難準備を促している。

26日付の英字紙バンコク・ポストはランシット大学災害警報センターがまとめたバンコク全域が浸水した場合の水位シミュレーションを掲載。都心部のビジネス・商業地区や、日本人が多く住むスクンビット地区では21~50センチの浸水を予測している。

バンコク中心部に事務所を構える日系企業の間では、浸水に備えて郊外への一時的なオフィス移転を検討するケースが出ている。タイ東部の工業団地に勤務する日本人が多く住むシラチャー地区のアパートは、日系企業からの予約が急増。バンコク中心部から車で約1時間半の距離にある観光地パタヤのホテルでも、企業から臨時オフィスや家族退避用の空室に関する問い合わせが増えているという。

洪水被害の拡大によりバンコク東部の工業団地が新たに浸水する可能性も浮上。三菱自動車やホンダなど、既に操業を停止している企業の生産設備が打撃を受ける恐れもある。

洪水被害の広がりを受け、タイの国内総生産(GDP)の約6%を占める観光産業への影響も広がりつつある。チュムポン観光・スポーツ相は25日、2011年の観光客の誘致目標である1900万人について「50万~100万人は下回る可能性がある」との見方を表明。観光業界関係者はロイター通信に「洪水が悪化すると(前年比で)2割は減る」との見通しを示した。

春割ですべての記事が読み放題
今なら初回2カ月無料!

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン