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米がリビア制裁、資産凍結 安保理は決議案採択へ

(更新)

反体制派への武力弾圧を続けるリビアへの国際社会の圧力が一段と強まってきた。オバマ米大統領は25日、リビアの最高指導者カダフィ大佐らの資産凍結を盛り込んだ米単独での制裁を発動した。国連安全保障理事会も25日、より広範な内容の制裁決議草案を理事国に配布し、早ければ26日午後(日本時間27日午前)にも採決に付される見通しだ。一方、カダフィ大佐は首都トリポリで支持者らに徹底抗戦を呼び掛けており、今後反体制派との衝突で犠牲者が増える恐れが強まっている。

【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ米大統領は25日、カダフィ大佐と一族、政府高官らの資産凍結を命じる大統領令に署名、同日付で米国単独の金融制裁を発動した。オバマ氏は大統領令でカダフィ大佐を初めて名指しで非難。リビア情勢の不安定化は「米国の安全保障と外交政策への著しい脅威」になると強い危機感を示した。

発動した金融制裁はカダフィ大佐と一族を中心に、米国内や米国人の管理下にある資産を凍結し、米金融機関など企業・個人との取引を禁止する内容。大統領令では「カダフィ体制は国際規範違反の責任を取らねばならない」と批判した。

米政府は同日、在リビア米国大使館の業務を停止、一時閉鎖することを決定した。トリポリでは在留米国人がフェリーやチャーター機で出国。米国人の国外退避にメドがたったことを受け、制裁発動を決めた。

これに先立ち、カーニー大統領報道官は同日の記者会見で、カダフィ大佐に関して「(指導者としての)正統性はゼロになった」と言明。リビアとの軍事交流も中断すると発表した。米国が軍事力を行使する可能性については「現時点ではあらゆる選択肢を排除していない」と語り、カダフィ大佐を強くけん制した。

オバマ氏は同日、トルコのエルドアン首相とリビア情勢を巡って電話会談し、武力弾圧停止のための連携を確認した。

【ニューヨーク=杉本晶子】国連安保理は25日、リビア情勢について協議し、英仏を中心に作成したリビア制裁決議草案を全理事国に配布した。

草案は、制裁対象としてカダフィ大佐や一族、側近ら武力弾圧に関与が深い上層部約20人の個人名を挙げたうえで、これらの人物の資産凍結や国外渡航禁止などを盛り込んだ。人道に対する罪で国際刑事裁判所(ICC)に付託することや、リビアへの武器禁輸措置なども求めている。

安保理は26日も会合を開いて細部を詰め、早ければ週末にも決議案を採択する見通しだ。各理事国は決議採択を急ぐことでおおむね一致している。ただ、草案の内容に理事国の一部から慎重論も出ているもようで、最終的な決議から数項目が外れる可能性もある。

潘基文(バン・キムン)事務総長は25日「時間を費やせば費やすほど、人命が失われる。いまこそ行動のときだ」と語り、制裁決議の早期採択を各国に促した。潘事務総長は28日にワシントンでオバマ米大統領と会談し、リビア情勢について意見交換する予定。

安保理は既に、リビア当局を非難する報道向け声明を22日に採択。死傷者の数が一段と膨らむなど事態が深刻化していることから、新たに制裁を科すことで国際社会からの包囲網を強める。

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