首相の靖国参拝は「不意打ち」 米議会報告書
米議会調査局は日米関係に関する最新の報告書で、安倍晋三首相の靖国神社参拝(昨年12月)について「米国の助言を無視し、不意打ちで参拝した事実は政府間の信頼を傷つけた可能性がある」と指摘した。安倍首相の歴史認識が第2次世界大戦やその後の占領政策に関する米国の歴史認識とも衝突する危険があると分析している。

議会調査局は米議員向けに年に2~3回程度、日米関係に関する報告書をまとめている。20日付の報告書では最近の動きとして靖国参拝を取り上げたうえで、参拝が日中・日韓の関係を一段と悪化させたと記述。米国の制止を振り切って参拝した安倍首相を「日米関係を複雑化させる指導者としての本質をはっきりと証明した」と批判した。
沖縄県の米軍普天間基地移設問題を巡っては、沖縄県知事が埋め立て申請を承認したことに関連し「知事の決断にもかかわらず、沖縄県民の大半は様々な理由から新しい基地建設に反対している」と指摘。「日米両政府が高圧的な行動をとれば今年後半の県知事選をはじめ、反基地の政治家を利する危険がある」との見解を示した。
(ワシントン=中山真)