IMF局長、過剰な利回り追求懸念 リスク投資を注視

2014/7/26付
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【ワシントン=矢沢俊樹】国際通貨基金(IMF)のホセ・ビニャルス金融資本市場局長は25日、世界的な投資マネーの余剰を背景に米社債などの価格が上昇し、「(国債との)利回り格差が金融危機前の水準まで著しく低下している」と警戒感を示した。少しでも高い利回りを求める投資家が「より新しく危険な手法」を駆使しているとも指摘。相場の過熱に関し各国が監視を強める必要性を強調した。

ビニャルス局長は日本経済新聞など一部メディアと会見し、金融市場に関する見解を明らかにした。社債の利回りに関しては、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長も発行企業の信用力が低い分、利回りの高い「ハイイールド債」への投資動向を注視する姿勢を示している。ビニャルス局長の発言は、投資マネーがリスク資産に過度に集中することへの警戒感が金融当局者の間で高まっていることを示す。

ビニャルス局長は米国の社債に加え、一部の新興国市場でも過剰な利回り追求の動きが見られると指摘。何らかのきっかけで投資家がリスク回避の行動に転じると、「相場の変動率が一気に高まり、新興国を含む市場からの資本流出を通じて急激な資産価格の修正が起きかねない」との見方を示した。

超低金利の米などでマネーを調達し、高利回りの金融資産に投じる「キャリートレード」が続くなか、「金融のリスクは複雑さを増し、金融システムの脆弱性を高めている」と語った。その一方でFRBには「路面の状態(=経済情勢)に応じてアクセルを踏み分けるべきだ」と語り、金融緩和からの出口政策を拙速に進めないよう要請。欧州中央銀行(ECB)と日銀にも緩和的な政策を続けるよう促した。

過去の金融危機からの回復局面に比べると、足元では生産能力などが伸びるテンポが遅いと指摘。緩和マネーが主に金融市場に回っており、実体経済に十分に行き渡っていないと述べた。

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