シリア政府、戦車投入 25人死亡、ヨルダン国境を封鎖

2011/4/26付
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【カイロ=花房良祐】シリアでアサド政権と反政府側との衝突が拡大し、緊張が強まっている。政権側は25日、デモが広がる発端となった同国南部ダルアーに戦車と数千人の部隊を投入し、武力で弾圧する姿勢を鮮明にした。市民に向かって発砲し、少なくとも25人が死亡。100人近くが死亡した22日以降、4日連続で犠牲者が発生した。政府はヨルダンとの国境も封鎖、反体制派の逃亡を防ぐ狙いとみられる。国際社会の非難が高まるのは必至だ。

AFP通信などが伝えた。目撃情報によると、銃撃の恐れがあるために回収できない遺体が市内の路上に放置されている。首都ダマスカス郊外や北西部ジャブラでも治安当局などが発砲を繰り返しているという。

ヨルダン政府によるとシリア政府は25日、ヨルダンとの国境を封鎖。ダルアーはヨルダン国境に隣接しており、反体制派の出入国を防ごうとしているもようだ。人権団体によると、3月中旬のデモ発生以降、シリア全土で合計350人以上が死んだ。

ただ、チュニジアやエジプトのように軍がアサド大統領を見限る可能性は低く、政権基盤は盤石との見方もある。軍や治安機関の幹部を大統領と同じイスラム教アラウィ派で固めているためで、国民の多数を占めるスンニ派の幹部は少数だ。

大統領の父、故ハフェズ・アサド前大統領は1982年に中部ハマに戦車や航空機まで投入、蜂起したイスラム原理主義組織のメンバーや住民ら数万人を殺害したこともある。現政権は非常事態法を廃止したが強権姿勢は堅持し、デモ隊を徹底的に鎮圧している。

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