2018年6月20日(水)

トルコ、政治対立が激化 汚職巡り3閣僚が辞意

2013/12/25付
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 【イスタンブール=花房良祐】トルコのエルドアン政権が、都市開発などに関連した汚職疑惑で揺れている。チャーラヤン経済相ら3閣僚は25日、それぞれ息子が拘束されたことなどを巡り辞意を表明した。エルドアン首相は対立する宗教団体の謀略だと主張するが、ダメージを抑えるため閣僚差し替えに踏み切った格好だ。

 ただ、辞意を表明した閣僚の1人は首相に退陣要求を突きつけるなど混乱は続いている。米金融緩和の縮小も相まって投資家の慎重姿勢は強まり、通貨リラと株が売られやすくなっている。

 捜査当局は17日、関係者の一斉摘発を開始。24日までに経済相とギュレル内相の息子を含む24人を逮捕、バイラクタル環境都市相の息子も一時拘束した。内相の息子の自宅から金庫6台、国営銀行ハルクバンク頭取の自宅の靴箱から現金450万ドル(約4億7千万円)を押収した。

 汚職疑惑は複数あり、外国人のトルコ国籍取得を巡り、首相側近のバウシュ欧州連合(EU)相が収賄に関与したとの報道も出た。ボスポラス海峡トンネルの建設では、、トルコ企業が安全上の理由から建物を設置できない陸上地点の建設許可を贈賄によって違法に取得したとの疑惑も浮かぶ。同トンネルの建設は大成建設が手がけた。

 環境都市相は25日の辞意表明後、「違法行為はなかったが、すべて把握していたエルドアン首相は辞任すべきだ」とテレビ局NTVに語った。閣僚が首相に辞任を迫るのは極めて異例だ。

 一方、首相は汚職捜査の背景にイスラム教組織「ギュレン運動」の存在があると反発する。同運動はイスラム穏健派のギュレン師が創設し、支持者は検察や警察に幅広く浸透している。

 首相が率いる公正発展党(AKP)もイスラム系で、かつて両者は協力関係にあった。同運動支持者は有権者の1割前後に上るという分析もあり、AKPの有力な支持基盤だった。

 しかし、2011年ごろからAKPと同運動の反目が表面化。12年2月には、検察が情報機関トップの首相側近の訴追を図った。AKPは、同運動の有力な資金・人材供給源とされる私塾を廃止する方針を打ち出すなど対立を深めている。

 同運動傘下の新聞であるザマン紙は、政権は摘発が始まった17日以降に警察幹部150人以上を更迭し捜査に圧力を加えたと報道した。14年に統一地方選や大統領選を控え、汚職疑惑で打撃を受けた首相は大幅な内閣改造を実施して求心力の回復を図る構えだ。

 汚職事件の摘発が始まった翌日の18日には、米国が金融緩和の縮小を決定。トルコで資金の逃げ足が速まった。リラ相場は23日、対ドルで1ドル=2.09リラと最安値。中央銀行は24日、リラ安に強い警戒感を表明した。株価指数BIST100は25日、首相に辞任を要求する環境都市相の発言を受けて急落、約4カ月ぶりの安値となった。

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