2019年7月24日(水)

グーグルの利用者情報統合、プライバシー巡り波紋
日本では総務省が調査検討

2012/2/25付
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米グーグルが3月1日から導入する新たな個人情報の収集や利用に関する指針が波紋を広げている。従来の指針を変更、利用者に関する情報を複数のサービスで横断的に利用できるようにするものだが、プライバシー侵害のリスクが高まるとの懸念が浮上。欧州連合(EU)が導入延期を要請したほか、日本の総務省も対応の検討を始めた。

グーグルが指針の更新をブログ上で発表したのは1月24日。(1)製品・サービスごとにある70以上の指針のうち、統合可能な約60を一本化しわかりやすくする(2)グーグルアカウントを持つ利用者から個々のサービスが取得する情報を統合する――のが柱だ。

対象は電子メールや動画投稿サイト、交流サイトなど。グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマートフォン(多機能携帯電話=スマホ)の位置情報なども含まれる。

波紋を呼んだのはユーザー情報の統合だ。グーグルはサービスの品質を底上げするためと説明、利用者に関連性が高い検索結果や広告の表示を狙う。位置情報と予定表のスケジュール、交通情報などを組み合わせて、「会合に遅刻します」などと通知することも可能になるという。

だが、利用者が個人情報をコントロールしにくくなったり、行動を丸ごと把握されるのではとの懸念が浮上。米国では一部下院議員がラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)に質問状を送付。米マイクロソフトは「利用者を最優先に」とする広告を米紙に出稿し、自社の優位性を強調した。2月初めにはEUが個人情報保護に関する調査が必要として、指針更新延期を要請した。

グーグルは議員書簡への回答を公開するなど説明に努めている。同社によれば収集する個人情報の内容や量自体は変わらず、裁判所の請求など特殊な場合を除き利用者同意なしに外部に提供することはない。個人情報の公開設定は変更せず、収集情報の中身を利用者が確認することも可能だ。

だが、波紋はおさまらない。2月22日には米国の36の州と地域の司法長官が連名でペイジ氏あてにプライバシー侵害を懸念する書簡を送付。日本でも川端達夫総務相が24日の閣議後会見で、「懸念はある。どういう対応が可能か検討している」と述べた。

グーグルはSNS「グーグル+(プラス)」を軸に検索など主要サービスを連動させ、SNS最大手で広告収入を伸ばすフェイスブックに対抗する構えを打ち出していた。サービス間の情報共有への懸念にどう対応するかに関心が高まっている。

(シリコンバレー支局)

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